30円握りしめて・・・初めて味わった大人の味丸福食品の「手羽先」

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変わらない昭和の味

昭和四十年代、広島の東区矢賀新町の丸福食品が手羽先を焼いて真空パックし、お酒のおつまみとして「ブロイラー」の商品名で発売しました。
酒屋には、必ず店先に立ち飲みカウンターがあったころです。「ブロイラー」は、たちまち人気商品となり、小さいサイズは中高生のおやつとしてもひろがりました。校門の近くの駄菓子屋さんに並び始めたのもこのころです。
丸福食品では現在も、頑固に発売以来の味付け・製法を守り続けています。
電子レンジで温めるだけの簡単調理で「懐かしい味」を楽しめます。

30円握りしめて・・・初めて味わった大人の味丸福食品の「手羽先」

おつまみの王様!丸福食品の手羽焼

日本中が将来に明るい未来を信じて、頑張っていたあの時代。丸福食品の創業者は美味いあんぼーろを作り、喜んでいただけることに没頭していました。戦前、彼は大阪の菓子会社に奉公していた経験を基にただひたすら働いていたのでした。一生懸命作れば前に進めた時代だったと言えるのかもしれません。大量に生産し大量に消費することが豊かさだと思っていた頃でもあります。
ある時、鶏肉加工所で当時は利用価値の少ないとされていた手羽先が冷凍庫に山積みされている光景を目の当たりにしました。戦後、食べる物に事欠いた時期を過ごした彼にとっては見逃せない光景でした。「あんぼーろの焼き釜で手羽先が美味しい焼物の商品にならないだろうか」タレを試行錯誤で研究し、納得のいく味で焼き上げ「ブロイラー」という商品名で発売しました。すると酒のつまみに最高と言う評判を呼び、酒屋の店頭に置かれるようになりました。当時、酒屋の入口にはよく立ち飲みのカウンターが設けられており、昼間精一杯働いた男たちの社交場にもなっていました。そして、つまみにはブロイラー三十円。その美味しさはやがて子供達にも伝わり、三十円握り締めて大人たちの間を分け入ってブロイラーを買いに訪れます。化学調味料無添加で子供達にも安心して食べられます。子供達のために、駄菓子屋には小さなサイズで提供して、西日本全域で愛されるようになったそうです。

※掲載情報は 2018/08/11 時点のものとなります。

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キュレーター情報

納島正弘

(株)地域デザイン研究所代表

納島正弘

株式会社地域デザイン研究所代表取締役 
1960年9月15日、尼崎市生まれ。広島市在住。
有限会社 ROCKETS 代表取締役を経て 株式会社地域デザイン研究所を設立。企業のブランディング、広告企画デザイン、パッケージデザインなど、地域活性に関わるデザインを多く手がける。
広島アートディレクターズクラブ(“H”ADC) 会長、 ひろしまデザインネットワーク会長、安田女子大学文学部非常勤講師、穴吹デザイン専門学校非常勤講師、 広島広告協会会員、 広島市産業振興センター 工業支援アドバイザー、「雁木タクシー」NPO法人雁木組 理などを勤め、活動の幅は多岐にわたる。2016年 渋谷ヒカリエD&D「NIPPONの47人/グラフィックデザイン」2014年〜2018年鹿児島県「食とデザイン」アドバザー他、講演やパネリストや2017年グッドデザイン賞など受賞歴も多数
2009年「GURAJIKU」展(ピカソ画房ギャラリー「パブロ」) 2013年“H”ADC展(光村印刷ギャラリー)
2018年4月から2019年3月まで広島県安芸高田市立「八千代の丘美術館」にて常設展

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