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IBERICO-YA
イベリコ豚 生ハム 4年熟成 ハモンイベリコレアルベジョータ
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私のコラムは、唐突な小見出しで始まる傾向にある。今回も生ハムの紹介なのに、私が行ってみたい国のことなどどうでもいいことである。でも、お聞き願いたい。
はい、では、初っ端からの「今、私が一番行ってみたい国」とは……
私をご存じの方なら「イタリア?それともハワイかな?」と思われるだろう。フィレンツェに料理勉強に行った経験があるし、ハワイで料理を楽しむ料理家としてコラムを書いているからだ。
でも、私が今一番興味のある国……
それは、スペイン!
で、その理由は…?
「え~、意外にもスペインだったのか。でも、理由ならわかるな。ほら、あそこ……美食の街サンセバスチャン!その辺りのミシュラン星付きレストランに行きたいとか……あ、それとも、美味しいピンチョスを楽しむバル巡りかな。これ、正解でしょ?」
ブッブー(効果音)不正解でーす(笑)
お察しの通り、フランス国境近くの星付きレストランに行ってみたいし、バル巡りもめちゃくちゃ楽しそう……とは思う。でも、興味のあるところは別。私が行ってみたいのは、バスクではなく、首都マドリードでもなく、バルセロナでもなく、もっと南のアンダルシア州の小さな村。
これは、益々意外なことでしょう(笑)
さて、その村の名は、ハブーゴ(Jabugo)。ハブーゴをインターネット検索すると、ほぼ「生ハム」関係の情報が出てくる。ハブーゴ村は、王族や美食家が認める最高級のイベリコ豚が生息する地である。
「ハモン・デ・ハブーゴ」をご存じだろうか。
「あ、知ってる!食べたことあるし」という方、美食家に間違いない。
ハモンとは、ハムのこと、イコール、ハブーゴ村のイベリコ豚の最高級生ハムをハモン・デ・ハブーゴと言う。
私は、そのハブーゴ村のイベリコ豚牧場に行ってみたいのだ。
なぜに牧場?(笑)……その理由は後で述べよう。
下記に、ハブーゴ村の最高級イベリコ豚を扱っている「IBERICO-YA」ホームページに記載されている村の紹介文を抜粋してみた。お読みになれば、その小さな村に興味を持ってもらえると思う。
「どこまでも続く青い空、そして陽に光る白い家。そんなスペインのアンダルシア州の南西部に、『ハブーゴ村』があります。今から300年以上昔、1700年頃、最初にイベリコハムを生産する会社ができたのがこの『ハブーゴ村』です。それは小さくとも何世紀も前からイベリコハムを作り続けている威厳に満ちた村です。以来、この地の王族たちのみならず、本物を知る美食家たちが本当のイベリコハムの産地として認める村として崇められ、語り継がれてきました。イベリコ豚は成長が遅く、育成はとても難しいためスペインのごく一部でしか飼育されていません。その中でも、ほとんど自然に近いストレスの少ない環境で充分な運動をしながら、人工的な飼料を一切与えず、天然のどんぐりや牧草、香草だけを食べて育ったイベリコ豚が、本物のイベリコ豚であるベジョータと呼ばれます」
(以上、IBERICO-YAホームページから抜粋)
さて、私がハブ―ゴ村のイベリコ豚を知ったのは、1年半ほど前のこと。広いご人脈をお持ちの知人に連れられて訪れた六本木のレストラン。そこは、そのハブーゴ村の宝、イベリコ豚をふんだんに使った料理を提供する店「IBERICO-YA」だったのだ。
とろける美味しさのレアル・べジョータのイベリコ豚のコース料理を堪能(レアル・ベジョータについては後術ご参照いただきたい)。
中でも炙り寿司の美味しかったこと!!コース料理は、他に、前菜、その場でカットしてくれる最高級生ハム、しゃぶしゃぶ、〆にイベリコ豚の旨味が残ったスープでのラーメン!思い出すだけで、口の中が唾液でいっぱいに(笑)
驚いたのは、店で生ハムの前足一本まるごとキープできること。ボトルのキープではないのだ。前足キープ!(笑)しかも、ボトルのネームプレートではなく、一本数十万円のイベリコ豚の前足に、堂々と顧客の名前が書かれた木のプレートが……(なんてこと?(笑))
※イベリコ屋北新地店
さて、前述「レアル・ベジョータ」の説明をしよう。
私のつたない説明ではなく、IBERICO-YAのホームページから抜粋したいと思う。
「イベリコ豚の育成は難しく、成長も遅いのでスペインのごく一部でしか飼育されていません。イベリコ豚は、ドングリの実のなる時期にドングリを食べさせ、一定の体重まで増やします。イベリコ豚の中でもランクがあり一番上からベジョータ、セボ・デ・カンポ、レセボ、セボ(ピエンソ)と呼ばれています。
ベジョータは貴重なイベリコ豚全体の中でも約10%しか存在しておりません。ベジョータの定義は、イベリコ豚の血統が75%以上。そしてモンテネラ期に放牧し、ドングリを食べて育っていることです。飼育日数も鹿児島黒豚の約3倍(約16ヶ月)と長く育てられているのもひとつです。
イベリコ豚の最高ランクはベジョータと言われていますが、ベジョータの中でもさらにランクがあります。それは、イベリコ豚の血統が100%でさらに餌であるドングリの木の樹齢が200年以上というものです。これは、ドングリにも栄養価が違っており、木の樹齢によって栄養価が違うからです。このドングリを食べて育ったイベリコ豚は、普通のイベリコ豚よりも豊富なオレイン酸と抗酸化作用(アンチエイジング)のあるリノレン酸も豊富に含まれます。このレアル・ベジョータはスペインでも数が少なくとても高値で取引されています。このレアル・ベジョータはイベリコ豚の中でも2%しか存在しません」
(以上、IBERICO-YA)ホームページから抜粋)
ドングリの木の樹齢にも価値があるなんて、驚いてしまう。そして、その樹齢200年以上の価値のあるドングリを食べて育ったイベリコ豚を日本で堪能できるなんて、奇跡である。
イベリコ豚の最上級肉、レアル・べジョータの美味しさには根拠あり!
さて、ここで種明かし(?)。私がハブーコ村のイベリコ豚牧場に行ってみたい理由を書こう。
「牧場に行きたいっていうより、レアル・べジョータを生み出した村に行って、切りたての極上生ハムを食べたいんじゃないの?赤ワインの注がれたワイングラス片手に…」
って思われて当然。もちろん、ハブーゴ村で、切りたて生ハムとワインはあり!(力強く発言(笑))
でも、私は、ある牧場のドングリの木の下に行きたいのである。
それは、レアル・べジョータを日本につないだ日本人「IBERICO-YA」の先代社長の墓碑がある牧場の木の下。
1990年代、彼がイベリコ豚を見つけた当時、スペインと日本は食肉の輸出入ができない状態だった。しかし、日本とスペインの政府と交渉して数年もかけて輸入を実現したのだ。それは、先代社長の熱き想いがそうさせた。
イベリコ豚は、いまや、日本での認知度は高いが、輸入のルートを開拓したのはIBERICO-YAの先代社長なのだ。その功績を認められたからこそ、ハブーゴ村にも先代社長の墓が築かれたのだ。
その話を聞いた時、「ハブーゴ村のドングリの木の下のお墓に行って手を合わせたい!」と思った私。私は、情熱の強い方に惹かれる。熱い想いで仕事をまっとうしていた自分の父を不意に思い出してしまったこともある。
(オンラインショッピングで注文すると、こんな画像入りの梱包材が)
私がオーダーしたIBERICO-YA商品でお気に入りは、ハモンイベリコレアルベジョータ4年熟成。もったいなくてなかなか食べられなかった(笑)
自家製の桃のコンポートとその煮汁で作ったジュレ、そしてミントを合わせてみた。生ハムの脂身の風味、少々リキュールの効いた果物の甘味、ミントの清涼感のマリアージュがよい!
調理)中尾明美
レアル・ベジョータ4年熟成は、きれいな味がする。熟成することで、味に深みが出るのだろうが、「深み」というより、私の感想は、きれいな味。きれいとは、整った様を言う。生ハムの味が整った様というのは、とても変な表現だが、そんな味なのだ。牧場を駆け巡るイベリコ豚が思い浮かぶ。それは、美味しいドングリを食べて健康で幸せな豚たち。そして、その豚たちに誇りを持って生ハムを作るハブーゴ村の人たち。そうして、それを伝えるIBERICO-YAの皆様。きれいな味として感じたのは、こうして美味しいものの伝道者たちの想いが私に正しく伝わったからなのかもしれない。
ここで、アドバイス。このきれいな味を感じるために、召し上がる数十分前に冷蔵庫から出して常温にすことをお勧めする。脂の美味しさは格別だ。
そして、生ハム以外にもIBERICO-YAの美味しい取り寄せ商品がある。
イベリコ豚のしゃぶしゃぶ肉!
我が家の豚しゃぶ鍋の野菜陣はクレソン、大根、葱、エノキ。
〆はラーメン!!!
調理)中尾明美
イベリコ豚を扱う企業は多々ある。でも、私がIBERICO-YAを好きな理由は……
「愛」である。
先代社長の想いを引き継いだ山本社長のイベリコ豚への愛は深い。オンラインショップでオーダーした際に届く商品の梱包をご覧になっただけで、自社商品を大事にしているのが感じられる。
私の説明は不要かな。写真をご覧あれ。
まずは段ボールを開けると、こんなメッセージが……
オンラインショップ
https://www.iberico.co.jp/
※掲載情報は 2018/08/10 時点のものとなります。
料理家、ライター
中尾明美
東京都生まれ。一男一女の母であり、孫も持つ。五代続く医者の家に育った生い立ち、健康食品製造販売会社の代表を務めた経緯やがん克服経験から、医食同源を目指した食生活を推奨している。「DEAN & DELUCA」キッチンスタッフ、「リストランテアロマクラシコ」キッチンスタッフを経て、イタリアフィレンツェの料理研究家に師事し、現在も厨房に立ちつつ、会費制食事会「プライベートダイニングRoom A’s Tokyo」、料理教室「Class A’s Kitchen」、出張料理「A’s Kitchen」を主宰。食材・調理器具と波動を合わせた調理、化学調味料を使わない優しい味にはファンが多い。2018年4月よりELLEgourmetフードクリエイターメンバー。