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高い技術力と芸術性の高さを感じる、至極のワイングラス
先月、ロブマイヤー日本代理店の書籍出版を記念したパーティーにご招待いただき、オーストリア大使館へ行ってきました。
こちらが、今回刊行された書籍『ロブマイヤー シャンデリアとグラスの世界』です。
このパーティーのために、ウィーンからレオニード社長(写真左)も来日! 念願叶って、お会いすることができました。
『ロブマイヤー』は1823年に創業した、オーストリアのシャンデリアとグラスウェアの老舗メーカーです。ハプスブルク家がオーストリアを統治していた時代には、皇室御用達の称号を受け、現在でも多くのロイヤルファミリーに愛されています。
伝統を家族で守り続けるという経営スタンスで、現社長のレオニード・ラート氏が6代目となります。
個人的に『ロブマイヤー』の商品は、「商品」ではなく、「作品」という言葉のほうがしっくりくる気がしています。なぜなら、『ロブマイヤー』で生み出されるグラスは、熟練した職人の手により、ひとつひとつ丁寧に作られるもので、とくに宙吹きという技法で作られる極薄の「モスリングラス」は、手に取れるはずのモノ(物質)なのに、まるでそこに存在していないかのような透明感があり、それは工芸品というよりも、もはや芸術品の領域に達していると思えるからです。
「モスリングラス」が極薄でも割れにくいのは、素材に秘密があります。
『ロブマイヤー』のグラスは「カリクリスタル」という、軽くて弾力性がありながらも、非常に硬くて丈夫な素材で作られています。だからこそ、手にした時にはしなやかさを感じ、口に当てた瞬間には、思わず「あっ……」と小さな声で言ってしまいたくなるほど、感動的な薄さのグラスに仕上がるのです(実際に、私が主宰するセミナーでも、ロブマイヤーのグラスを口に当てた瞬間に「あっ……」と言って感嘆されている方の姿を何度も目にしています)。
芳醇な香りを堪能したい時にぴったりの「バレリーナ」
さて、『ロブマイヤー』には秀逸なシリーズが数多くありますが、今回ご紹介したいのは、『ロブマイヤー』の魅力に触れる第一歩として是非おすすめしたい、「バレリーナ」シリーズの「ワイングラスIII」というシェイプです(下記写真の右から6番目です)。
「バレリーナ」シリーズも、先述した極薄で作られる「モスリングラス」のひとつです。英国ロイヤル・バレエの至宝と称されたマーゴ・フォンティーン(1919~1991)がティップトゥ(つま先)で立つ姿をイメージしてデザインされました。
「バレリーナ」という名の通り、実に繊細で美しいフォルムです。それに共鳴されて、グラスを手に持つ姿も美しくみせてくれるような気がします。
また、ワイングラスという名称ですが、ワインだけでなく、水まで美味しくいただけると言われるほど、グラスに注がれた飲み物の風味を存分に引き立ててくれます。
今回ご紹介する「ワイングラスIII」のシェイプは、ほかのシェイプに比べるとグラス全体が丸くどっしりとして、重厚感があります。赤ワインや白ワインはもちろんですが、ウィスキーやテキーラ、日本酒など、芳醇な香りを堪能したい飲み物全般に使えるため、『ロブマイヤー』のグラスを初めて買う、という方には特におすすめしたい形状です。
優しく、軽やか。
美しく、品がある。
女性を形容するような表現が、「バレリーナ」シリーズにはぴったりきます。
私にとっては、見るたび・使うたびに憧憬の念を抱いてしまうグラスです。言うまでもなく、そんな感情をグラスに抱いたのは、『ロブマイヤー』が初めてでした。
だからこそ私は、自分にとって何か特別なことがあったときに、少しずつ丁寧に買いそろえるようにしています。そのため、私の手元にある『ロブマイヤー』のグラスは、それぞれに異なったエピソードや想い入れがあります。購入したきっかけとなったエピソードを振り返りながらワインを飲む時間は、たまらなく幸せで贅沢なものです。
もしあなたが今までグラスにこだわりをお持ちでなかったのでしたら、ぜひ一度『ロブマイヤー』のグラスを手に取ってみてください。
グラスの芸術性の高さと、実際に口につけたときに感じる空気のような口当たりの良さ、そして水までもおいしく感じさせる技術性の高さを、あなたにも実感していただきたいです。
※掲載情報は 2018/07/23 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/西洋陶磁史研究家
加納亜美子
洋食器を中心とした高級食器シェアリングサービス「カリーニョ」や、食器の魅力を伝えるため「おうちレストラン」をコンセプトとした会員制料理教室「一期会」を運営。洋食器輸入代理店とのコラボレーションイベント、百貨店文化サロンでのセミナー講師、レシピ開発、商品開発、WEB雑誌へのコラム執筆など、多岐にわたり活動中。