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麦秋を眺める
麦秋。梅雨入り前に秋のような景色を見ました。
黄金色の景色は夏なのに少し寂しげでもあり、でもとても綺麗な景色。
福岡県の筑後という地区で育つ小麦は、強力粉用のミナミノカオリと薄力粉や中力粉用のチクゴイズミなどがありますが、撮影の時期は丁度収穫時期でしたので、様子を拝見させていただきました。いつもこのような形で生産者のもとへお伺いし、直接感じることは、食材の良さをさらに角度を変えて感じることが出来ます。
小麦に多くのテントウムシがついていますが、テントウムシは害虫を食べてくれるため、小麦にとっては有難い存在です。やはりこのような自然界の道筋が見えるととても勉強になります。
今回は、福岡県八女市の『田中製粉』の薄力粉「亀特上」と「亀」のご紹介です。私のスイーツではこの薄力粉がないとダメというくらいの逸品。この薄力粉と出会ってから、スイーツの美味しさが上がったと思います(笑)。今回、『田中製粉』8代目社長と一緒に麦秋を見に行ってきました。
繋がる出会いを感じる
撮影場所は、福岡県うきは市。
麦の収穫は色味を見る限りでは秋のイメージですから、もちろん秋が収穫時期かと思うかもしれませんが、麦は梅雨入り前頃に収穫が始まります。
大きなコンバインがスピードよくきれいに収穫されていく。きれいに刈り取られた畑に麦の間に潜んでいたネズミなどが出てきて、それをシラサギが狙っている。普通なら鳥はこのようなコンバインなどは大きくて怖いはずが、獲物を捕らえるためにコンバインの近くで待機している。そんな様子を見ながらのんびりと時間が過ぎていきました。
『田中製粉』の薄力粉は、石臼でひくことの一部されていて、残りの製粉は木造の工場で製粉されます。他に特徴は、成分的には灰分が高く、小麦の香りが出やすく、色づきもよい。
スポンジケーキやシフォンケーキなどを作るとおいしさの違いがすぐ分かる。
筑後平野で育つ小麦は、適度な湿気や土壌などの良さから水分も程よく多く含んでいます。
創業200年以上の歴史がある製粉会社で、八女市では2軒の製粉会社のうちの1つです。
八女といえばお茶が有名ですが、製粉会社も負けてはいません(笑)。薄力粉「亀特上」と「亀」の名前は、製粉会社の所在地が「八女市亀甲」と「亀」という字を使われているからで、とても縁起が良いことから名づけられました。
縁起の良い薄力粉で、お菓子はもちろん、てんぷらや、フライ、すいとんなどのお料理にもおすすめです。
『亀特上』は、スポンジケーキやシフォンケーキ、クッキーなどに。
『亀』は、パウンドケーキやマドレーヌなどを作るときにおすすめです。
この小麦粉は、以前にご紹介させていただいた博多のお土産で有名な「二〇加煎餅」にも使用されています。とても身近で縁深いものなのですよね。
実は、以前にご紹介したうきは市のミディトマト生産者の石井さん(右)が作る小麦が『田中製粉』さんの薄力粉や強力粉に一部使われています。
こんな形で、生産者さん同士の横の繋がりもあります。
『田中製粉』の田中宏輔社長もこのように手をつなげていける関係線を大切にしながら福岡産小麦をこれからも世に広めていかれることでしょう。
福岡県産薄力粉「亀特上」と「亀」をぜひご賞味くださいね。
小売りでは、製菓材料などを扱うサイト『Cotta』で購入できます。
※掲載情報は 2018/07/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツプランナー
山口真理
福岡と東京を拠点とし、カフェや企業などのメニュープランニング多数。全国を訪れて生産者と出会い、食卓をつなぐパイプ役として素材をベストな状態でスイーツに添えるレシピ提案をする。福岡県農商工連6次化産業開発アドバイザー。農家をピックアップした冊子と食材をセットで送る「ふくおか食べる通信」レシピコーナー撮影フードスタイリスト並びにメニュー開発。フードコーディネーターとして撮影スタジオでのフードスタイリングも多数。Yahoo!JAPAN「日本の定番選定委員会スイーツ101」選定人。フェリシモ商品「シリコン型お菓子の会」「ミニシリコン型お菓子の会」プロデュース。フェリシモ出版「毎日のごはんを楽しく作る雑貨のカタログSweetsBook」ポプラ社「スイーツの仕事」出版。文化放送「ピピットサンデーWakuwakuMix」出演。