夏でも食べられる ハンガリーの「ウインターサラミ」とは?

夏でも食べられる ハンガリーの「ウインターサラミ」とは?

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1869年創業の老舗が魅せる上質のサラミ

「ウィンターサラミ」は、多くのヨーロッパ諸国では古くから食べられていますが、まだ日本ではそこまで知られていない存在かもしれません。ハンガリーは畜産業が盛んで、多くの国に様々な商品の輸出を行っています。百年以上の歴史を誇る「ウィンターサラミ」もその一つで、「ハンガリーの至宝」とも呼ばれ、欧米はもちろん、最近はアジアでも需要が高まっています。

白カビつきのサラミとして知られるウィンターサラミの事をハンガリー語では「テーリ(冬の)サラミ」と言い、老若男女問わず、広く親しまれています。全身を白カビで覆われたサラミは、数百年の伝統を持つハンガリー古来の製法で作られた保存食でしたが、国際的なデビューは19世紀末でした。当時ヨーロッパ各国で開催されていた世界万国博覧会にて広く知られるようになったと言われています。イタリアンサラミに代表されるような大きめな白い脂の塊がなく、脂肪を細かく分解し霜降り状態にしているのが当時は革新的だったようで、様々な博覧会でハンガリーサラミは優秀な製品として各賞を受賞し、世界の注目を集めました。

表面が雪のように白カビで覆われている点と、作られた当時は冷蔵・冷凍の設備がなく、原料の生肉が長持ちしない時代で冬の寒い時期にしか作ることができなくなったという点から「ウィンターサラミ」と名付けられました。

夏でも食べられる ハンガリーの「ウインターサラミ」とは?

ウィンターサラミは、2年かけて乾燥させたぶなの木を燃やす煙で2週間燻製にされた後、高さ63メートルの「サラミ塔」に入れられます。そこでハンガリー大平原の大河ティサ川から吹いてくる風と、この地の良質な菌を味方に、3ヶ月間ゆっくり熟成されるのです。その間、外側は独特の白い被膜に覆われ、これがウィンターサラミにしかない外観、香り、味を決めると同時に急激な乾燥を防ぎ、その食味を長いあいだ保ってくれます。

現在は冬にしか作られないサラミという意味ではなく通年食べられていて、この味わい深いサラミは、赤ワイン、すっきりした日本酒、ビールやウイスキー、ブランデーのおつまみとして非常にマッチします。薄くスライスしたサラミは、そのままサンドイッチの具、ピザのトッピング、またクリームスープ、スパゲッティソース、リゾット、サラダなどの具としてもお使いいただけます。

現在は、通年食べられる「ウィンターサラミ」ですが、ここは冬にしか作ることができなかった当時にに思いを馳せてみてはいかがですか?

夏でも食べられる ハンガリーの「ウインターサラミ」とは?

※掲載情報は 2015/01/27 時点のものとなります。

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ハンガリー大使館

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中欧に位置するハンガリーは、アジアに起源をもつ騎馬民族であったマジャル人が良質な牧草地を求め現在の地へ何百年もかけて移動し、定住したユーラシア大陸のもっとも西に住むアジアの民の暮らす国で、もっとも東に住む日本人を尊敬する親日的な人々が多く暮らす国でもあります。首都ブダペストは、ドナウの真珠とたたえられている美しい街で、日本人旅行者から「この街を歩いているだけでいつの間にか微笑がでる」との感想も寄せられました。日本の1/4の国土に9つの世界遺産を始め見所やグルメ、ワイン、温泉、音楽などが凝縮されており、訪れる旅人の五感を満たします。食という多様な切り口で皆様にハンガリーの魅力を存分に知っていただけるよう情報を発信していきます。

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