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記事詳細
紹介している商品
創業300年。西洋で2番目に古い歴史を持つ磁器工房
今年は、ヨーロッパで2番目に古い歴史を持つ西洋磁器ブランドである、『ウィーン磁器工房アウガルテン』が創業300周年という記念すべき年を迎えています。つまり、今年とても「アツい」磁器ブランドなのです。
先月はアウガルテン日本総代理店であるノーブルトレ―ダース様とのコラボレーションで、『アウガルテン』の持つ300年の歴史と現在を掘り下げて学ぶ特別セミナーを開催しました。
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先月のセミナーでは、マリア・テレジアのディナーセットとして贈られた「マリア・テレジア」シリーズを使用しました。
ちなみに、今この記事をご覧いただいている方の中で、『アウガルテン』のことをご存知の方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
主催している「洋食器講座」を通して感じている、非常に個人的な意見になりますが、日本での知名度は比較的低いように思えています。『アウガルテン』はヨーロッパで「2番目」に古い歴史を持ち、マリア・テレジアやエリザベートなどの有名な人物を輩出した名門・ハプスブルク家の御用達窯だったという華々しい歴史を持つ磁器ブランドです。
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セミナーでは、そんな歴史や魅力をご説明しました。
知名度の低い理由のひとつとしては、百貨店での露出がほとんどないから、ということが挙げられるかもしれません。現在、『アウガルテン』の磁器は銀座・和光以外では、同じ運営会社の『ル・ノーブル』でしかお取り扱いがないのです。
しかしながら、その器の美しさは、日本人の美意識にとても響くものがあると感じています。
実際に『アウガルテン』は、皇后陛下の美智子様や秋篠宮文仁親王殿下など、日本の皇室の方々にも愛用者の多いことで知られています。
たとえば、「ウィンナーローズ」というシリーズ。
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多くの余白を残した中に、丁寧に手描きで描かれた、可憐な一凛のバラ。
一見すると、白磁も絵柄もシンプルに感じられますが、見れば見るほど、そして使えば使うほど、アウガルテンの洗練されたデザイン性と白磁の美しさに魅了されていきます。
『アウガルテン』には、このように「見る」だけではなく、「使う」ことでより一層、その品質の高さを実感できる魅力が潜んでいるのです。
そんな中、ぜひとも今回ご紹介したいのが、「ウィンナーローズ」のこちらの小皿。
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「豆皿」として使いやすい、直径9cmのラウンドディッシュ。ちょうど小菓子がひとつ、ちょこんと乗せられるサイズです。
私は常々、食器は「日常生活で一番身近な“美術品”」と思っていますが、美しいものに触れる生活をすることで、心豊かな時間を過ごせるようになると実感しています。
普段の何気ないティーブレイクに、まずはこの小さな器に描かれた美しい薔薇柄をうっとりと眺めながら、心ときめく時間を過ごしてみませんか?
ウィンナーローズのラウンドディッシュ9cmは、そんな時間を過ごしたいあなたに、ぜひおすすめしたい“逸品”です。
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※掲載情報は 2018/06/14 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理家/西洋陶磁史研究家
加納亜美子
洋食器を中心とした高級食器シェアリングサービス「カリーニョ」や、食器の魅力を伝えるため「おうちレストラン」をコンセプトとした会員制料理教室「一期会」を運営。洋食器輸入代理店とのコラボレーションイベント、百貨店文化サロンでのセミナー講師、レシピ開発、商品開発、WEB雑誌へのコラム執筆など、多岐にわたり活動中。