記事詳細
2015年4月に発足した「ORIGINE KOBE(オリジンコウベ)」は、神戸を代表するパティシエ8人によるプロジェクトです。
神戸には実力派パティスリーが密集し、多くのスイーツファンを魅了し続けていますが、日頃からパティシエ同士の交流も多く、お菓子やお店作りについての議論も盛んに行われています。
そんな中、個々の持てる力を集結し、グループで活動することで「パティスリーの街 神戸」の魅力をさらに高めることができないか!という想いをもつ7名のパティシエにより、「ORIGINE KOBE」 が発足しました。
2017年6月にはさらに1名が新加入し、4年目に突入した現在は8名のパティシエにより、ますます活動のフィールドを広げています。
<参加メンバー>
『パティスリー モンプリュ』 林 周平シェフ
『ラヴニュー』 平井 茂雄シェフ
『パティスリー エトネ』 多田 征二シェフ
『マ・ビッシュ』 村田 博シェフ
『パティスリー アキト』 田中 哲人シェフ
『パティスリー アグリコール』 奥田 義勝シェフ
『コンパルティール ヴァロール』 大西 達也シェフ
『パティスリー ラトリエ ドゥ マッサ』 上田 真嗣シェフ
発足当初から3年6回にわたり、春夏・秋冬と半年ごとに、共通のテーマに沿って各シェフが限定のお菓子を作るという「神戸パティスリーコレクション」を展開してきましたが、4年目に突入する今シーズンはテーマのコンセプトも一新!
お菓子を構成する『要素』に着目して展開していきます。
今回のテーマは『生地』。
お菓子作りにおける生地(pate)は、ケーキの「基礎」であり、重要な役割を担っています。
そして生地は、味のバランスを取り、様々な食感を生み出し、時に外の素材を包み込んで「形」となります。
まず、自分がどの生地にどのようなこだわりをもっているか。
そしてその生地を使い、どのようなお菓子に仕立てていきたいか。
と、各シェフがお菓子作りの基礎にあらためて立ち返り考案した作品が、今シーズン展開する「Consistance(コンシスタンス/フランス語で食感の意)」です。
各店での販売は、2018年4月15日~8月31日までとなります。
期間限定となりますので、ぜひ8店全店を制覇し、各シェフの生地に対する熱き想いを受け取ってください!
各店に置かれているパンフレットには、全店の店舗・商品詳細と、今回フィーチャーした生地に対する想いが綴られています。
毎回期間の後半にはなくなってしまう貴重なパンフレットですので、ぜひ入手を!
つづいて、各作品の詳細をご紹介していきます。
パティスリー モンプリュ 林 周平シェフ
アーモンドのパートサブレにカシスのアパレイユ、ホワイトチョコレートのソースを重ねて。
パートサブレは、カシスとホワイトチョコレートの滑らかな生地に食感と風味のアクセントをプラスしてくれる良さがあります。
ラヴニュー 平井 茂雄シェフ
アーモンドのパートサブレに、レモンのクリームと柑橘のコンポート。
レモンのパンドジェーヌをのせ、クレームパティシエールとスイスメレンゲで覆って。
儚く軽い食感を表現するため、生地の水分量を控えたパートサブレ。レモンとグレープフルーツのフレッシュな風味が印象深い。
パティスリー エトネ 多田 征二シェフ
アーモンドのパートサブレに、アーモンドのビスキュイ、アプリコットのコンポート、バニラのクリームを入れ、ミルクチョコレートのディスクを挟み、ピスタチオのムースリーヌを重ねて。
ムースの柔らかさを邪魔しない軽やかな食感になるよう改良を重ねたパートサブレです。
マ・ビッシュ 村田 博シェフ
パータブリゼにフランジパーヌ、フレーズ&フランボワーズを入れ、ミルクチョコレートのクリーム、カシスのクーリーを重ね、カシスのメレンゲで覆って。
ホロホロと砕けるパータブリゼと柔らかいクラフティの食感のコントラストを楽しめます。
パティスリー アキト 田中 哲人シェフ
パータブリゼに、タイム風味のブルーベリーのコンポートを浮かべたクラフティのアパレイユを入れ、ブルーベリージャムとマスカルポーネのクリームをのせて。
ブルーベリーのクラフティにはパータブリゼが一番合うのだそう。ホロホロと砕けるパータブリゼと柔らかいクラフティの食感のコントラストがお楽しめます。
パティスリー アグリコール 奥田 義勝シェフ
パータシューにピスタチオのクリーム、フランボワーズのジュレライチとチョコレートのクリームを重ね、サブレをトッピング。
生地を卵多めにすることで、シュー生地の外はパリッと中はしっとりとした食感に。
コンパルティール ヴァロール 大西 達也シェフ
パートシュクレに、コーヒーとキャラメルのガナッシュとエスプレッソとチョコレートのビスキュイジョコンドを入れ、ホワイトチョコレートとキャラメルのガナッシュを鋳込んだコーヒーのクリームを重ねて。
パートシュクレは、コーヒーの奥深い風味にも負けない骨格のある生地。粉の香りが引き立つようにしっかり焼き込んだそうです。
パティスリー ラトリエ ドゥ マッサ 上田 真嗣シェフ
パータババに、クレームパティシエールとマリネしたオレンジを合わせて。
日本ではまだマイナーなお菓子の「ババ」。シェフが初めて食べて感動したフランス菓子の生地とのこと。今回はマンダリンオレンジのシロップに浸したパータババです。
※掲載情報は 2018/05/13 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツコーディネーター
松本由紀子
スイーツコーディネーター&ライター。
一般雑誌、菓子専門誌、TV、ラジオ、webサイトと多岐にわたり、ライター&コメンテーターとしてスイーツ情報を発信。スイーツ関連メーカーのコンサルティングを務め、商品開発、コラボ商品の企画、マーケティングに携わる。スイーツ講座(定期/単発)の講師も務める。
10名のパティシエの珠玉の一品!を集約したDVD 『Sweets美術館』をプロデュース&出演。
http://www.amazon.co.jp/Sweets美術館-2012-松本由紀子/dp/B00BPJSFF2
百貨店催事やイベントをプロデュースし、「スイーツコーディネーター松本由紀子セレクション」なる冠催事を展開。
*2012年11月~:フランスフェアー@JR大阪三越伊勢丹
*2014年2月:サロン・デュ・ショコラ@JR大阪三越伊勢丹
*2015年2月:アムール・デュ・ショコラ@大阪高島屋
*2015年10月~:松本由紀子セレクション@阪急うめだ本店
ORIGINE KOBEの広報を務める。
http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-2060/