うぐいす餅
うさぎや 住所:東京都杉並区阿佐谷北1-3-7
和菓子好きにはおなじみの阿佐ヶ谷『うさぎや』。
夕方には売り切れてしまう「どら焼き」が有名ですが、他にもたくさんの種類の和菓子を作り販売されています。
定番のみたらし団子や鹿の子、うさぎ餅、うさぎ饅頭の他にも、季節に応じてこまめに変わる朝生菓子など迷ってしまう品揃え。
今日はどら焼きだけね、と思って行ってもついつい色々買い足してしまいます。
わたしにとっては、阿佐ヶ谷に出かけたら寄らずには帰れない、和菓子が食べたくなったらわざわざ出かけてしまう、まるでどこかの格付けガイドみたいなお店です。
さて、春は桜餅、苺餅、草餅に誘惑されますが、オススメは「うぐいす餅」。
見た目は少々地味ながら、上品でとても味わい深い。
作り方はいたってシンプル。
求肥生地で餡を包み、両端をすこしつまんで楕円に形を整えてうぐいすの形に見立てる。
仕上げに青豆のきな粉であるうぐいす粉をたっぷりと振って。
このシンプルさが潔く、そしてシンプルだからこそ、他と差が出てしまうように思います。
とにかく買って来たら早めにいただきましょう。
でも小さいからといって、パクッと一口で食べないでくださいね。
まずは鼻腔をくすぐるうぐいす粉の香りにうっとり。
半分に切ってみると、ぎっしりと詰まったこしあん。
口に入れると薄く柔らかな求肥とこしあん、うぐいす粉が一体化して見事なハーモニー。
そしてかすかに感じる、草のような青い香り。
残り半分をじっと観察すると、あら、求肥の皮が淡い緑色をしています。
ほんの少しですが、よもぎが入っているのでしょうか。
青みとほのかな苦味、きな粉よりも更に香ばしいうぐいす粉、上品なこしあんという組み合わせは、まさに春を告げる鳥のよう。
お花を観ながらいただくと更に美味しさがアップする気がします。
五感を刺激する、シックな春のお菓子はぜひお早めにどうぞ!
ちなみに店内ではあんみつやかき氷などをいただけるスペースもあります。
和菓子はお電話での取り置きもできますよ。
■店舗情報
阿佐ヶ谷うさぎや
住所:〒166-0001 東京都杉並区阿佐谷北1-3-7
電話:03-3338-9230
営業時間 9:00~19:00
定休日 土曜日、第3金曜日
うさぎや 住所:東京都杉並区阿佐谷北1-3-7
※掲載情報は 2018/03/30 時点のものとなります。
料理家/バスクの食旅コーディネーター
後藤初美
料理家。JSA認定ワイン・エキスパート。CPA認定チーズプロフェッショナル。国際薬膳調理師。
FFCCフランス料理文化センター、パリのエコール・リッツ・エスコフィエ等でフランス料理・お菓子を学ぶ。
大手企業にてアドミニストレーター、カスタマーサービス、社長秘書等勤務後、2010年より「フレンチスタイルの家庭料理とお菓子・食のフランス語教室ル・プティ・フール」主宰。
手軽にできて簡単美味しくヘルシーなフレンチを広めるべくレッスンを開催。同時に、旅先で悔いなく美味しいものを食べたい方のための「食のフランス語講座」を開催、旅行を計画中の方や料理留学の準備講座として好評を得ている。
毎年続けるフランスの地方巡りはもはやライフワーク。渡仏回数25回以上、延べ日数は330日超。近年は毎年美食の街フレンチバスク地方へのツアーを企画し、現地ならではの食とワインを堪能する。多数出演したBSジャパン「辰巳琢郎の葡萄酒浪漫」では、当日ゲストの選んだワインに合わせてその場で料理を作る。西洋占星術を学び、星座と食を組み合わせたパワーフードも提案する。