東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

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東海道を歩いていると、旧宿場町のあたりでたくさんの美味しいものに出会います。ど~しても見逃せない、現代の名物ともいえる数々。ちょっと寄り道してご紹介しましょう。
今回は東海道五十三次の23 番目の宿場、島田宿の「元祖清水屋の小饅頭」です。

江戸時代の宿場町がそのまま残る島田宿

「島田宿」は江戸時代に、東海道五十三次の23番目の宿場町として栄えました。
現在も数百メートル以上にわたり街道沿いに様々な建物が残され、江戸時代の宿場町の雰囲気がそのまま再現されています。
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」とうたわれたほど、当時、島田宿西側の大井川の川越しは東海道最大の難所として知られていました。しかし、幕府は江戸の治安・防衛のため、橋をかけたり船で渡ることも禁じていました。そのため島田宿は川越えをする旅人で賑わったのだとか。

東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

作品名:『東海道五拾三次之内 嶋田 大井川駿岸』
絵師:歌川広重
制作年:天保四年(1833)頃
所蔵:静岡市東海道広重美術館
広重が描いた大井川の川越しの様子。「五月雨の雲吹きおとせ大井川」芭蕉も詠っていますが、大井川の川越しは東海道最大の難所でした。

 

東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

作品名:『東海道 廿四 五十三次 嶋田 大井川』
絵師:歌川広重
制作年:嘉永四年(1851)
所蔵:静岡市東海道広重美術館

 

東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

作品名:『五十三次 嶋田』
絵師:歌川広重
制作年:嘉永五年(1852)閏二月
所蔵:静岡市東海道広重美術館

茶人が認めた小饅頭

東海道・島田宿名物「元祖清水屋の小饅頭」

『清水屋』の創業は1722年頃。5代目の伝左衛門は、あるとき島田宿に長く留まっていた紀州浪人と知り合い、甘酒皮の饅頭づくりの秘法を伝授されます。やがてその饅頭は参勤交代で島田宿を訪れていた松平公の目にとまることに。松平不眛公は茶人としても知られる人物。「一口で食べられる大きさが良い」との助言を受け、店主がその通りにすると、『清水屋』の「小饅頭」は街道一と称されるようになり、旅人をはじめ多くの人々に愛されたそう。そして、現在もこだわりの素材と製法で変わらぬ味を守り続けています。

江戸時代から変わらない伝統のおいしさ

『清水屋』の「小饅頭」は膨張剤や添加物など一切使っていない昔ながらのお饅頭です。
それなのに「ふっくら」しているは、代々伝わる米麹の力。
包装を開けた瞬間に広がるお酒に似た香りは、この麹の発酵する香り。お酒は入っていないので、お子様にも安心です。
皮はほんのり甘く餡(あん)は甘すぎず、上品なおいしさです。

 

島田市には、「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてギネスブックに登録された蓬莱橋もあります。江戸時代の宿場の雰囲気とともに茶人が認めた小饅頭をぜひ一度ご賞味ください。

※掲載情報は 2018/03/19 時点のものとなります。

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キュレーター情報

大森久美

学芸員/栄養士

大森久美

栄養学を学んだ後、武蔵野美術大学卒業。芸術学士、学芸員資格を取得。2006年特定非営利活動法人ヘキサプロジェクトを設立。2010年より現地法人ヘキサプロジェクト・ロンドン・リミテッドディレクター。美術館のキュレーションを行うかたわら、アート/デザインのワークショップなどの教育普及や、地方で伝統の技を守り続ける職人達との商品開発にも精力的に取り組む。日本文化の奥深さを伝えることをミッションに、食とアートのスペシャリストとして日本の美意識を国内外に発信中。

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