あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

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「あえてネット販売無し、あえて兵庫県下の登録店と菊正宗記念館だけで販売、あえて登録飲食店のみで味わえる」という限定スタイル

今回も日本酒を紹介します。「寡黙な人がぽつりと一言発する言葉は的を射ており、聞く人に強い感銘を与える」これは「百黙一言(ひゃくもくいちげん)」という言葉の意味ですが、この酒のコンセプトでもあります。静かにそこにあるが、口にするとその旨さに衝撃を受ける酒、それが「百黙」です。

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

口に入れると、サラッとスッキリ辛口です。そのまま喉まで届くかと思いきや、口中にフワリと上品な米の香が立ち、深いコクと甘さが広がります。モノクロの花々の映像がみるみるマルチカラーに変わっていくような感じ……美しい!旨い!洗練された味です。

 

さすが、江戸へとはるばる下った灘の生一本といわれた酒蔵の酒です。
灘五郷をはじめとする兵庫県の清酒生産量は、現在日本一です。大手酒造会社は、その名こそ広く知られていますが、近年はどこでも気軽に手に入る一般酒としてのイメージが強い存在であることは、神戸生まれ神戸育ちの私にとっては寂しいことです。しかし、この酒はちょっと違う、と紹介できます。

 

この酒「百黙」は去年、菊正宗が生み出した純米大吟醸です。燗酒、辛口の名手である菊正宗による、新しい旨酒といえるでしょう。
神戸にいながら、その凄い存在に長らく出会う機会がなかったのは、この酒がまさに“黙っている”からです。スペックを強く打ち出さないその方針。出会って味わった時の私の衝撃は強いものでした。

 

「百黙」だけで十分満足できる深い味ですが、酒は食べ物と共に味わうことをモットーとしている私には、お刺身との一献が一番のお気に入りです。しかし、どんな料理にも合うオールマイティーな懐の広さと深さも持ち合わせています。

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

              お刺身との相性は言うまでもなく最高!リキュールグラスで味わうとオシャレでしょ?

 

「百黙」は、菊正宗の若手を中心に造り出されている“新しい酒”です。酒米はもちろん山田錦、精米歩合は39%です。麹米もかけ米も三木市吉川の特A地区だけのもの100%、水は宮水。う~ん、贅沢の極みです。

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

 

酒造りには、低温でゆっくり時間をかけて発酵させ、香りと甘みを引き出します。その間の適温を探るのに、3年もかけたそうです。酒は絞った先から劣化するため、すぐに-5度で保管し、出荷前に火入れして瓶詰めをすることで、フレッシュさを保っています。

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

              長尾典子オリジナル蓮根と人参のなます風サラダ仕立てにも!

 

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

              サクサク衣の白味魚のフリッターともいけます!

 

 

あえて飲める場所を限定した酒の極み!感銘をもたらしてくれる寡黙な酒

              ポークのヒレ肉のスパイシーグリルとも相性良し!

 

店頭でのその姿は? 化粧箱は上質なしっかりしたもので、グレー系のシックな装いです。空間になじむ静かな色です。その色は、江戸の粋色として好まれた鳩羽鼠を思わる心憎さです。ボトルも黒色かと思うほどの深いダークグリーンとシックです。光による劣化も避けているのでしょう。ボトルラインは、すっきりした細い首とどっしりとした腰。目立つものではありませんが、目に留まると品格と落ち着きを感じさせるデザインです。なるほど、「商品の価値はすでにそこにある」という精神でデザインを生む佐藤卓氏が監修したことに納得です。

 

今まで私が出会わなかったのは、「あえてネット販売無し、あえて兵庫県下の登録店と菊正宗記念館だけで販売、あえて登録飲食店のみで味わえる」という限定スタイルのためでした。

 

伝統の酒蔵の革新の酒と革新の販売方法。やはり、伝統を守ることは、常に新たなる挑戦を意味するのでしょうか。

 

灘の酒の新たな歴史を目指す「百黙」。ギフト、手土産にも喜ばれるお薦めの逸品、一度味わってみてください。

※掲載情報は 2018/02/28 時点のものとなります。

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キュレーター情報

長尾典子

ライフスタイルデザイナー

長尾典子

日本伝統の知恵と美を取り入れた現代の食と暮らし方”Nippon Stylish Life”を提唱。

西宮市内のサロンと各地で、テーブルコーディネート・料理・英語・食文化をテーマに幅広く活動中。

季節開催「Japan Cool Seminar in Tokyo」では伝統美味食をテーマに、レストラン・料亭を会場に、その日だけのオリジナル料理を味わい学ぶ講座。

旅館・ホテルの食空間提案、英語による和食文化、テーブルコーディネートセミナー、オリジナル食器デザイン販売も手掛ける。

著書『12か月のLifestyle Book 食卓からしあわせは始まる』エピック
  『和食の力に魅せられて 伝統美味食の世界』エピック

食卓文化研究家、食空間コーディネート資格認定講師、卓育インストラクター、カラーコーディネーター、英語講師。

食空間コーディネート協会理事 
京都文教短期大学、大阪夕陽丘短期大学非常勤講師。
奈良女子大大学院生活環境修士。現在、現在、龍谷大学博士後期課程。
mail:nagao@a-de-v.com

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