土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

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料理と器が互いに引き立てあう魅力

土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いていますね。今回は土のぬくもりを感じる南蛮焼き締め・山本安朗さんの器を紹介させていただきます。

 

安朗さんとは先代の家元が陶と花の2人展をしてからのお付き合いになります。そのご縁で我が家には安朗さんの花器や食器がたくさんあります。私も12年前に青山の『蔦サロン』で2人展をさせていただきました。

 

安朗さんの花器はこれまでにたくさんの華道家とコラボレーションされて、色々なアドバイスを取り入れていらっしゃるからでしょうか、生けやすいフォルムが特徴だと思います。琵琶湖付近の鉄分を多く含んだ土による焼き締めの色味は決して主張せず、合わせる花材を選ばないので重宝させていただいております。

土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

長いお付き合いになりますが、昨年の夏、初めて神奈川県は松田山にある『龍の背窯』にいけばな界の先輩方とお訪ねしました。山の斜面に自ら組まれたという登り窯を拝見したのですが、まだ作品が詰まっていない窯の内部は薪にこもった木の精と火の神様にしか司ることのできない、まるで礼拝堂のような厳かな空間に感じられました。

土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

その後、工房で日本酒をいただきながら、囲炉裏であぶった稚鮎や自ら打ってくださった十割蕎麦(なんと35年継ぎ足しのそばつゆで)をご馳走になりました。もちろん食器も安朗さん作です。

土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

食の器も花器同様、和でも洋でも合わせる物を選びません。むしろお料理と器がお互いを引き立てあってより素敵に見えるところが一番の魅力。さらに直接口に触れる酒器やカップの類はなんとも口当たりが優しく、ビールなどは細かい泡が立って美味しく感じます。

土のぬくもりを感じる器。陶芸家山本安朗さんの「南蛮焼き締め」

そんな安朗さんが昨年末、たった一人で11日間も薪を絶やさず、昼夜1000度以上をキープして第35回目の窯焚きを終えられました。新作陶器は今年様々な場所で購入できるようです。

 

代々木上原にある花器専門店『ka-ki shop』では花器を中心に常設で置いてあるそうですが、3月9日(金)~11日(日)は京都『ちおん舎』で、4月12日(木)~15日(日)は青山「蔦サロン」、4月20日(金)~22日(日)は神奈川県足柄「ブルーベリーガーデン旭」にて展示会があります。詳しくは山本安朗さんのFacebookページをご覧ください。

※掲載情報は 2018/02/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岡田広山

広山流第四代家元

岡田広山

幼少より伯母である三代家元に手ほどきを受け、大学卒業後、社会人生活を経て2000年に副家元を、2004年に四代家元を襲名。2010年には創流100周年を記念した花展と祝賀会を開催した。
初代より受け継がれる「自然の姿を大切に」の精神を守りながら、若手いけばな作家として、また母としての視点から、「今、いけばなにできる事」を信じていけばな界の発展の為に活動している。
現在、聖心女子大学・聖心女子学院でのいけばな指導の他、公益財団法人 日本いけばな芸術協会 理事、一般社団法人 帝国華道院 理事、いけばな協会 理事、港区華道茶道連盟 副理事長を務める。

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