1806年創業の老舗・北欧エストニア『カレフ』のチョコレート

1806年創業の老舗・北欧エストニア『カレフ』のチョコレート

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なめらかな舌触りとほどよい甘さが後を引く高品質チョコレート

昨年暮れのクリスマスシーズンにバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)へ行き、先日、その取材報告を兼ねて「バルト三国各国の郷土料理」を紹介するイベントを開催しました。当日は、在京エストニア大使館の職員の方にもゲストとしておいでいただき、エストニアのお話をうかがう機会を得ることができました。

 

バルト三国にとって2018年は、帝政ロシアから独立100周年を迎える記念の年です。年始には日本の安倍首相が同地を訪れ、また現在開催中の平昌オリンピックの開会式で、エストニア選手団の旗手を務めたスピードスケートのサスキア・アルサル選手の抜群の美しさが話題になったことがまだ記憶に新しいと思います。

 

そして、2月24日はエストニアの独立100周年の記念日。奇しくもこの日はアルサル選手が女子マススタートに出場する日でもあり、もし彼女がメダルを獲得したら、エストニア中が歓喜に沸き、世界中でエストニアが注目されるのは間違いありません。

 

ということで、独立のお祝いとオリンピックでのメダルの期待をこめて、今回はエストニア大使館さんから差し入れていただいた、エストニアで最も愛されているブランドのひとつでもある、エストニア最大の菓子メーカー『カレフ(Kalev)』のチョコレートをご紹介したいと思います。

 

『カレフ』は、エストニアが帝政ロシアに支配されていた1806年に創業して以来、首都タリンの街の歴史とともに歩んできました。創業者はドイツからやってきた菓子職人のローレンツ・カビエゼルという人。現在も営業を続けるタリン最古のカフェ『マイアスモック・カフェ』のある場所で菓子作りと販売を始めたといいます。

 

その後、この建物を購入したゲオルグ・スチュードが事業を拡大し、手作りのマジパン人形やチョコレート菓子、ケーキやペストリーを販売して人気を集め、さらにソビエト連邦時代には国有化されて他のいくつかの菓子会社と合併を行なって、現在の大規模な工場を持つようになりました。

『カレフ』の子会社としてケーキやペストリーを販売してきた『マイアスモック・カフェ』は、2015年に大規模な改修工事を行い、多くの観光客を集めています。

 

さて、『カレフ』の定番でもあるミルクチョコは、スイスチョコレートのような、なめらかな舌触りとほどよい甘さがなんとも後を引く味。エストニアの国旗色である「青・黒・白」の3種の包装紙に包まれていて、愛国心が感じられます。

 

『カレフ』では、工場の規模が大きくなっても、手作りしていた創業のころに培われた、余計な添加物を加えずに素材の味わいを生かしたチョコレートの製法を守り、その質の高さで製菓の世界博覧会でも高く評価されてきました。

 

ほかに、エストニア最大のリキュールメーカー『ヴァナ・タリン (Vana Tallinn)』入りのチョコレートなど、エストニアならではの製品も。現在は、エストニア独立100周年を記念して、エストニアの国旗色を包み紙にしたプラリネのキャンディーが販売中です。

 

『カレフ』のチョコレートは日本では残念ながらまだ代理店がないようですが、旅先で見かけたりおみやげでいただいたりしたら、ぜひとも味わってみてください。

1806年創業の老舗・北欧エストニア『カレフ』のチョコレート

※掲載情報は 2018/02/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青木ゆり子

各国・郷土料理研究家

青木ゆり子

雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。

地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。

「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。

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