記事詳細
紹介している商品
幾百年の時代を超えて今も多くの人々に愛されている本願寺ゆかりの銘菓
今回、ご紹介させて頂くのは、『亀屋陸奥』の和菓子「松風」です。
初めてこの松風を頂いた時、その食感に衝撃を受けました。
白味噌の上品な風味と、もっちりした生地が何ともいえず、噛み締めるほど味わい深く、本願寺とともに歩んだ歴史あるお菓子というのもうなづけます。
「松風」は織田信長と石山本願寺との戦いの中での保存食として誕生したという古い歴史があるとお聞きました。
応永28年(1483年)京都山科にて創業、現在は西本願寺々内にお店を構えられています。
「松風」は、小麦粉、砂糖、麦芽飴そして、白味噌をまぜあわせて自然発酵させて出来上がった生地の表面にケシの実を振りかけて焼き上げたもの。直径約45.5cmの一文字鍋に流し込むので、大きな丸状に焼き上がります。
「松風」には以下の3種類の製品があります。
○「松風」丸状の松風を短冊状に切り分けたもの。箱入り(紙箱、木箱/袋入)
○「簾巻」丸状の松風を切り分けずに、丸のまま簾に巻いたもの。
大(直径約45.5cm)と小(直径約36.5cm)の2種類があります。
○「徳用袋」丸状の松風を切り分ける際に出る切れ端を袋つめしたもの。
また、司馬遼太郎氏の小説に「松風」が登場するようです。
土方歳三を主人公とした「燃えよ剣」(文芸春秋「司馬遼太郎全集」6巻)。
鳥羽伏見の戦いに敗れ、江戸へ戻る途中、大坂の料亭「西昭庵」に滞在した折、連れのお雪さんがすすめてくれたお菓子が「松風」とのことです。
もうひとつは「関ヶ原」(新潮文庫「関ヶ原」上中下巻)。
徳川家康の問罪使との会見後、上杉景勝と直江兼続が 主従水入らずで茶を楽しみながら「松風」の話をしている。 やがて兼続は上屋敷に戻り、家康への挑戦状、所謂「直江状」をしたためるのである。(挑戦の章)
このように、小説などにも度々登場する「松風」です。
新年のご挨拶に如何でしょうか?
※掲載情報は 2018/01/05 時点のものとなります。
- 4
キュレーター情報
書道家
高岡亜衣
6歳から書道を始める。幼少より日本の伝統芸能である琴、三味線に触れたことから、自身の中にsoundが呼吸のように育つ。エレガントで躍動感溢れる書が、雑誌、TV等で注目され国内外で個展を開き、高い評価を得る。近年はNY、Parisで個展やパフォーマンスを展開。また、世界文化遺産 上賀茂神社での新春書道パフォーマンスを2016年から12年間務めることとなるなど、注目を集めている。地元の良さを伝えるべく丹後ふるさと観光大使としても貢献。書道家としての活動を続ける傍ら、後進への育成にも注力。世界文化遺産 上賀茂神社「賀茂競馬」ロゴ揮毫。