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アンリ・ルル―の代名詞「C.B.S.」
その味を初めて知ったのは15年ほど前のこと。キャラメルの香ばしさと甘みが口いっぱいに広がったかと思えば、心地よく舌になじんでくる塩味。その両極端の味覚に驚きながらも、あまりのおいしさに思わず目を閉じて、ゆっくりキャラメルが溶けるのを楽しんだものです。
フランスを代表するショコラティエ・エ・キャラメリエであるアンリ・ルルー氏によって作り出された『アンリ・ルルー』の「C.B.S.」(Caramel au Beurre Sale)は、ブルターニュ産の加塩バターを贅沢に使ったキャラメルで、当時一世を風靡した塩スイーツブームの先駆けとなりました。もちろん、現在も「C.B.S.」のおいしさは変わらずに進化を続けています。
濃厚なキャラメルは口どけのよさが抜群
「C.B.S.」をはじめとするキャラメルの種類は豊富で、フルーツフレーバーや季節限定のフレーバーが揃っています。そのキャラメルを直径3cmほどのタルトにしたのが「タルトレット・オ・キャラメル」。定番の味「C.B.S.」、「フランボワーズ」、「オランジュ・ジャンジャンブル」に加えて、秋冬限定の「ユズマッチャ」が詰め合わせになっています。
フランボワーズの爽やかな果実味やジャンジャンブル(生姜)の強みある辛味、ほっこりする抹茶のコクと、それぞれに違う味わいを楽しめます。かわいいプチサイズながら、そのおいしさはすぐにわかるはず。トロリと粘度のあるキャラメルなので、口どけの良さが特徴的です。「一気に食べたらもったいない」と思ってしまうのですが、ついつい手が伸びてしまいあっという間に完食してしまうスイーツです。
自分だけのご褒美にしたいところですが、気兼ねなく付き合える親しい人へのプレゼントにぴったりです。いつも一緒に遊んでいる仲間や職場で席を隣り合わせにしている同僚に、特別な意味をもたなくても、その味を思わず共有したくなっちゃいます。
※掲載情報は 2018/01/03 時点のものとなります。
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キュレーター情報
アジアンフードディレクター
伊能すみ子
アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト 舞台制作や民放気象番組ディレクターを経て、食の世界へ。調理師専門学校で調理、食文化を学びながら、食の専門家であるフードアナリストとして活動を開始。メディアを中心に飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆、講演、講師、レシピ制作などを行う。
「ASEAN食のコンシェルジュ」、「タイフードコンシェルジュ」、「カンボジア旅のリポーター」などの肩書を持ち、食と旅の提案も手がける。年に数回、アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地体験を専門webサイトにて多数掲載。書籍『専門店が教える スパイスの基本』(PHP研究所)では、レシピを担当。日本にいながらも他のアジア諸国のおいしい料理を楽しめるような、環境作りを目指す。