江戸時代からの歴史を持つ本格そばでよい年越しを!

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昔ながらの情緒を残した唐沢そば集落

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長野県=信州といえば、そばの名産地。かつては米の生育に向かないともいわれた冷涼で山がちな土壌は、そばの栽培に最適で、さらに山々の育んだおいしい水が極上の味を生み出しています。

そんな信州の中でも、江戸時代から続くという、昔ながらの素朴な情緒風情を残して逸品そばを作っている東筑摩郡山形村の「唐沢そば集落」を昨年(2013年)12月末に訪ねてみました。山形村は、2014年で開村140年を迎えた長い歴史を持つ村でもあります。白い雪をかぶった青い山々の風景が何とも美しく、静かな田舎道には、道祖神や石仏お地蔵さんとともに、民家を改造した9軒程のそば屋さんが立ち並んでいます。地元産のそば粉と手打ちにこだわり、そのおいしさは明治のころから評判だったとか。決して交通の便のいい場所ではありませんが、工夫を重ねた各お店のそばを求めて、今も味にうるさい県内外のそば好きが集まってくるといいます。なお村では毎年11月に、「道祖神と新そば祭り」という催しも行われています。

お腹に余裕があれば、村内のそば屋さんを食べ歩きしたかったのですが、今回は選びに選んで「石碾きそば水舎」さんへ。村を流れる唐沢川の清流がさらにそばの味を引き立てているようで、中でもそばの風味がぷうんと香る粗挽きそば、八割そばが格別。本来なら実際に山形村を訪ねて、その空気を感じながらそばを味わっていただくのが一番だと思いますが、こちらでは通販もされていて、取り寄せすることもできます。

日本を訪れる外国人観光客が検索する人気キーワードでも、「スシ」や「ラーメン」と並んで上位を争うという「ソバ」。他の国にはない日本が誇る食文化と、その究極のおいしさをかみしめながら、今年の年越しにはぜひ、本場の信州そばを味わってみてください。

※掲載情報は 2014/12/26 時点のものとなります。

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キュレーター情報

青木ゆり子

各国・郷土料理研究家

青木ゆり子

雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。

地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。

「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。

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