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無添加、無着色の素朴な味わいが魅力的
食取材のため函館へ。時間があったので、函館郊外にあるトラピスト修道院まで足をのばしてきました。
トラピストといえば、1896年(明治29年)に開院した女人禁制のカトリック男子修道院で、全国的には、そこで作られる缶入りのバターやバタークッキー、バター飴が北海道土産として昔から有名です。これらの製品は北海道の都市のおみやげコーナーなどで購入できるのですが、修道院前にある直売店ではここでしか買えない限定商品があったりして、要チェックです。トラピスト発酵バターを練り込んだ特製ソフトクリームもそのひとつで、濃厚な味わいがたまりません。トラピストクッキーをスプーン代わりにして食べます。
さて、酪農製品のイメージが強いトラピスト修道院の商品ですが、修道院内の農場で収穫したいろいろな果物から手作りするジャムもあることを今回、初めて知りました。果物の収穫量によって在庫が変わってくるため安定供給とはいい難いようですが、「無添加、無着色」の素朴な味わいが魅力的です。中でも北海道ならではのスイカズラ科の植物の実「ハスカップ」のジャムは珍しく、売店でも人気があるとのことでした。
見た目がプルーンに似ていて、ブルーベリーのような味がするハスカップは、生の果実の保存が難しいそうで、ジャムで食べるのが向いている果物といえます。甘酸っぱい味わいはヨーグルトにかけたりして食べるとおいしいと思います。
トラピストジャムのシリーズには他にマルメロやルバーブ、クロスグリなど日本では珍しい果物のジャムもありました。詰め合わせにして贈り物にすると喜ばれそうです。
※上写真はトラピスト修道院の敷地内の牧草地で撮影したものです。
※掲載情報は 2017/09/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
各国・郷土料理研究家
青木ゆり子
雑誌「ぴあ」等の記者を経て料理に目覚め、2000年に「世界の料理 総合情報サイト e-food.jp 」を創設。以後、各国の「郷土料理」をテーマに、サイト運営、執筆、レシピ研究および開発、在日大使館・大使公館での料理人、料理講師等などに携わる。
地方色あふれる国内外の郷土料理の魅力を広く伝えるとともに、文化理解と、伝統を守り未来につなげる地域活性化をふまえて活動を行っている。
「世界の料理レシピ・ミュージアム」館長。著書「しらべよう!世界の料理 全7巻」(ポプラ社)、
「日本の洋食~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房)。