古くて新しい米粉 上新粉

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米の消費は昭和37年度をピークに減少しています、37年度には一人あたり1年間に118kgの米を食べていたのが、平成25年度には、その半分程度の57kg。半分に減っており、毎年8万tずつ着実に減少しているそうです。理由として、和食離れやパン食の普及などが要因といわれています。そして、今は小麦粉の代わりに米粉を使うことがブームに。これには、私も疑問をもっています。それは、米粉を小麦粉の代わりに使うためには、そのままでは無理があるのである為、加工することが多い。なぜ、米粉を小麦粉に近いものにしなければならないかがわからないのです。ごはんを食べないからと言って、米粉のパンを作るのは、米食復活の役割や生活の改善にはつながらないのではないかと思うのです。やっぱり、ごはんとみそ汁、漬け物という一汁一菜の食事が理想的のように思います。

 

米粉は、日本人の食文化にはなくてはならないものでしたが、意外にその種類や製法を知らない人が多い悲しい和食材のひとつです。

米粉は、米を加熱してから粉にするものと、そのまま粉にするものに分かれており、うるち米かもち米からつくられます。一方、上新粉、白玉粉、もち粉はすべて、米をそのまま粉にしたものですが、原料と製法が違います。

ここまででも、複雑だなあ〜とため息がでそうですね。 

 

今回おすすめの阿部製粉の「上新粉」は、うるち米を洗い、乾燥させてから粉にしたもので、きめが細かく米の風味が生きているところが特色です。

上新粉は、日本では最もポピュラーな米粉で、歯ごたえがあり、柏餅、草餅、ういろう、かるかん、など多くの和菓子に使われています。しかし、私が普段使いしているのは、和菓子ではなく「料理」。料理にも使いやすいのが上新粉なのです。

 

上新粉は、小麦粉と比べ、油の吸収が低い。つまり、揚げ物をしても余分な油を吸収せずに、カラっとヘルシーに仕上がります。揚げ物が苦手な方でも食べやすい。上新粉はきめが細かいためホワイトソースにも活用できます。ダマにならず上手に仕上がります。

さらに上新粉は、とろみがつくため、スープにいれると程よいとろみとなり、たとえば、純和風のけんちん汁や、だご汁に上新粉を溶いていれるととろみがつき、仕上げに豆乳や生クリームをいれるとなめらかなポタージュに。これはとても便利です。離乳食から高齢者までいつもの料理が喉ごしがよく食べやすくなります。

米粉ブームのなか、上新粉も米粉の仲間なのですよ〜〜!と叫びたい。

古くて新しい米粉 上新粉

グリーンピースのポタージュ 

*冷凍のグリーンピースとベジブロス(野菜だし)と上新粉で簡単に作れます。

 

岩手県の名店「芽吹き屋」は、お団子で有名です。しかも、冷凍で流通可能な団子としても定着しています。団子屋さんの上新粉は、やっぱり、ひと味違いますね。都内では、いわて銀河プラザに直営店があり、団子も上新粉も常時あります。季節限定のだんごも見逃せませんね。

芽吹き屋のお団子は、腰があり、生地のなめらかさが特色です。

※掲載情報は 2017/08/19 時点のものとなります。

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タカコナカムラ

料理家/フードディレクター

タカコナカムラ

山口県の割烹料理屋に生まれる。
アメリカ遊学中にWhole Food(ホールフード)に目覚める。
日本の伝統食・発酵食、乾物料理の第一人者として、数多くの商品開発や、オーガニックカフェのプロデュースに関わる。
現在、食と暮らしと環境をまるごと学ぶ「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール」を主宰。

通信講座(がくぶん)では、
「野菜コーディネーター」「発酵食スペシャリスト」
「AGEフード・コーディネーター」など食と美や健康に関する講座を多数監修。

一般社団法人ホールフード協会 代表理事

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