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古来「香妃のように、黒い髪、潤い肌を作る」と言われた胡桃
金沢駅の和菓子売り場で、多くのサイズを並べていたある和菓子に目が行った。普通ではありえないパターンを多くそろえているということは、それだけメーカーが一押ししている商品とも言える。
ちょうど、今年の手作りお味噌教室でのお茶受けの和菓子を探していたところ、お店の方が味見をさせてくださった。納得の美味しさと、隠れたあるヘルシーな材料に、即決で購入を決めた和菓子を紹介したい。
それは清香室町さんの「くるみ」。金沢の特産品である“くるみ”を使った和菓子を、清香室町初代が考案して最中に。北海道産の大豆を、井戸水にさらして製餡するという自家製餡。ヘルシーさを増すために、蔗糖を結晶させた白双糖(しろざらとう)で炊き上げているこだわりをもつ。その後、くるみ饅頭が作られてセット販売された。
白い包装紙に包まれたのが「くるみ最中」。桃色の包装紙が「くるみ饅頭」。せっかくなので、交互に下の写真のように並べ、教室のお茶うけとして出した。このケースもMYオリジナル金箔を使った器だ。通年使えるよう、季節感にこだわらない縁起良い絵柄で昨年作った。「かわいい!こんな風に売っているの!?」とみんな注目してくださった。
これは、私オリジナルのおもてなし。以前、「福うさぎ(https://ippin.gnavi.co.jp/article-7937/)」を紹介した時も、同じように交互に並べて手土産にした。やはり、このような見た目もいただいた方の心をくすぐるものだし、何よりも喜んでくださる笑顔を見るのが、私にはとても幸せなこと。このような想定外の驚きは、一気に気持ちを高めてくれ、和菓子もさらにおいしくいただける。ちょっとした演出が、日本のおもてなしだと思う。
冒頭にヘルシーな食材について、ふれたのは“くるみ”のこと。古来より中国では、「“胡”から来た香妃のように美しい髪、潤い肌を作る」と言われてきた。最中の「くるみ」にも、下の写真のように、しっかりとくるみが入っている。
最中の方にも、下の写真のようにしっかりとくるみが入っています。しっとりとした餡の中に、そっとくるみが入っており、餡と最中を引き立たせるほどの存在感。
かわいいとのことで、旦那様へお持ち帰りした方もいて、あとから「旦那がすごくおいしかったと喜んでいました。」とご連絡をいただいた。うん、これを選んで良かった。
6月に金沢にいくとおっしゃっていたので、この記事が公開されたら、あの和菓子の秘密を読んでいただきたいなと思いつつ。教室では、手作りお味噌教室でみんな必死だったので、この和菓子のお話をお伝えするのを忘れていたのです。こうして記事にできることに感謝を込めて。
毎年開催している手作りお味噌教室、今年も美味しく発酵しますように。
※掲載情報は 2017/05/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等