160年愛され続けるとっても固いせんべい。「田中屋」のみそ入大垣せんべい

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160年愛され続けるとっても固いせんべい。「田中屋」のみそ入大垣せんべい

「歯の弱い方のお召し上がりにはご注意ください」

 

辛さの注意を見ることはありますが、固さの注意を見たことは記憶にありません。「田中屋」のみそ入大垣せんべい四つ折りは日本一固いせんべいと言われています。亡き祖母が、よく食べていました。食べていたというより舐めていました。せんべいの角を持ち、丸い部分を舐めて柔らかくしてから、かじっていくのです。祖母の幸せそうな表情は今も鮮明に残っています。

 

「田中屋」の創業は安政6年。この年、世界ではダーウィンの「種の起源」が刊行され、日本では安政の大獄で吉田松陰が斬首刑に処された年……ざっと約160年。小麦粉、砂糖、味噌、ごま、水だけを使用した厚焼きせんべいは、シンプルだからこそ、ごまかしがきかず、人間が本来、持っている味覚を呼び覚まされ、ほっとするのです。

 

玉子を使用しないので堅く美しい「つや」に仕上がります。この「つや」は優しく丁寧に扱わないとはがれてしまうので機械ではできないのです。手焼きだからこその美しさと職人技を目で楽しんでから口に運びます。

 

田中屋は現在、キャラメル煎餅やミント煎餅などがテレビで取り上げられ、全国紙のランキングにも入り注目を浴び続けています。進化を遂げたせんべいも美味しいですが、昼下がりに縁側に座って、お茶をすすりながら、ちびちび食べるには、みそ入せんべいを選んでしまうのです。

※掲載情報は 2017/05/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

イシコ(石原英一)

旅行作家・エッセイスト

イシコ(石原英一)

1968年岐阜県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業後、大道芸を使った子供ショーをしながら全国を行脚する生活を10年程続ける。2003年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。5年間限定で国内外問わず50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動や環境教育を行う。一方、女性ファッション誌編集長、WEBマガジン編集長を経て、「MONOマガジン」や「散歩の達人」などに連載を持つようになり、エッセイストとしての活動を始める。2008年から2009年まで「SKYWARD」、「SANKEI EXPRESS」、「nakata.net」など新聞、雑誌、WEBに「旅」や「食」をテーマにした連載やブログを持ちながら世界一周。
帰国後、岐阜県安八町に移住し、ヤギと暮らしながら、「旅」と「散歩」をテーマにWEB、書籍、テレビ、講演、商品プロデュースなどを通して表現している。著書に「世界一周ひとりメシ」(幻冬舎文庫)、「世界一周ひとりメシ in JAPAN」(幻冬舎文庫)、「世界一周飲み歩き」(朝日文庫)がある。

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