日本で唯一残る楊枝専門店「さるや」の黒文字楊枝

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料理やお菓子を引き立てる名脇役

日本で唯一残る楊枝専門店「さるや」の黒文字楊枝

フードコーディネーターのお仕事の中にフードスタイリングというものがあります。これを専門にお仕事をしていらっしゃる方々は、フードスタイリストと呼ばれます。一般的にスタイリストという場合、多くの人が連想するのがファッションスタイリストかと思います。彼らの仕事はモデルをより魅力的に見せるために服や小物をコーディネートすることですが、フードスタイリストはその対象が人ではなく、お料理や食材だと考えてもらえれば、お仕事の内容がイメージしやすいのではないかと思います。お料理や食材がよりおいしそうに見えるように器や小物を選び、配置するのがフードスタイリストのお仕事です。

 

フードスタイリングをする場合、この料理にはこれがはずせないといったものがあります。例えば、和菓子の場合であれば、今回ご紹介する黒文字の楊枝ということになります。

日本で唯一残る楊枝専門店「さるや」の黒文字楊枝

黒文字(クロモジ)とはクスノキ科の落葉低木の名前で、樹皮に香りがあり、その枝から作られる楊枝は特に高級とされています。また、黒文字から作られた楊枝はそのまま『黒文字』と呼ばれることが多くあります。黒文字は樹皮に黒い斑紋があることから、それを文字に見立てて、黒文字と呼ばれていますが、楊枝にする場合はその樹皮を残して作られるため、見た目にも味わいがあり、和菓子をよりおいしそうに見せるためにおおいに役立ってくれますので、私にとってお気に入りの小物の一つでもあります。

日本に残る唯一の楊枝専門店

黒文字について、調べていて見つけたのが今回ご紹介する『日本橋さるや』。創業は宝永元年(1704)と古く、日本に残っている唯一の楊枝専門店です。『さるや』の店の名前は「猿は歯白きが故に 楊枝の看板たり」という文言に由来すると言われています。さるやの楊枝は黒文字にこだわり、一本一本手作業で作られています。

日本で唯一残る楊枝専門店「さるや」の黒文字楊枝

菓子楊枝は和菓子をいただく際には、ぜひ日常でも使っていただきたいと思いますが、「金千両」と墨書きされた桐の小箱に入った黒文字楊枝は縁起もよく粋な贈り物としてもおすすめです。

※掲載情報は 2015/10/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

梅津貴宏

ダイニングプランナー

梅津貴宏

1981年長崎県生まれ。一橋大学商学部を卒業後、IT系企業でコンサルタントとして勤務するも、30歳を目前として幼少のころの料理人になる夢を忘れられずに料理研究家を志す。祐成陽子クッキングアートセミナーを卒業し、フードコーディネーターの資格を取得して独立。
企業向けのレシピ開発から料理写真撮影のフードスタイリング、グルメ記事の執筆、食品メーカーのPRイベントの企画・運営など幅広く活動。
料理が苦手な人でも簡単に作れるおしゃれな料理のレシピ開発やおしゃれな食器選びなど、普段の食卓が華やかで楽しくワンランクアップするための提案を行うダイニングプランナーとして活動している。

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