全日空ファーストクラスが採用した日本の発酵調味料とは!?

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190年続く老舗が海外にも日本の味へと、デザインに想いを

全日空ファーストクラスが採用した日本の発酵調味料とは!?

2017年1~3月まで、全日空のファーストクラスのメインディッシュに、日本の伝統的発酵調味料「醤油」が採用された。この醤油、普通ではない。それは、醤油をフリーズドライにし、粉末状にしているのが特徴だ。どんなに飛行機が揺れても、お客様にこぼすことなくお料理を召し上がっていただくにはぴったり。それも、採用の理由だったのではないかと私は思った。醤油大さじ1に比べ、フリーズドライの醤油は同じ大さじ1でも、塩分量は10分の1と圧倒的に少ない。塩分を気にしている方への手土産にもおすすめだ。フリーズドライは、下の写真のような状態になっている。まるで食用の金箔のような軽さ。

全日空ファーストクラスが採用した日本の発酵調味料とは!?

味見をしてみると、確かに、醤油。“百聞は一見にしかず”ならぬ、“百聞は一味にしかず”。確かに塩分は控えめだが、水分がない分、味はしっかりとしていた。更に、デザインが国内外でも高い評価を受けており、軽くて手土産にも最適だ。
私が知っているだけでも、ある通販会社が注目をしているのが、この商品。その理由はデザインの美しさと、「シーズニングソルト」という珍しさなのだとのこと。直源さんはデザインだけでなく、容器にも大きなこだわりを持っている。金沢大野の店舗に行くと、想定外の容器にお醤油が入っており、思わず無言になってしまったほど。この商品は、またの機会にご紹介したい。老舗の看板を守りつつ、時代に合わせた商品化やデザイン性の高い直源さん。日本の伝統的食文化の継承に良い影響を与えるだろう。


ちなみに、直源さんの蔵は、現在店舗とカフェに改装され、下の写真のようになっている。中に入ると、別世界が待っている。真黒な天井や梁が残されており、これは歴史あるお醤油屋だった証拠だ。多くの商品が並び、どれも欲しくなってしまい店内をぐるぐると3周ほど。そして、正直迷いに迷って選んだのが、今回の「シーズニングソルト」だ。

全日空ファーストクラスが採用した日本の発酵調味料とは!?

簡単に、直源さんの歴史についても触れておきたい。文政8年(1825年)に「直源」は創業。醤油の発祥地である紀州和歌山から約400年前に直江屋伊兵衛が醸造技術を持ち帰り、醤油作りを始めたのが起源。これが現在、金沢大野(石川県)が醤油の産地として栄えた理由なのだ。古文書によると、その伊兵衛の流れを汲む直系の醸造元が「直源」。加賀産の大豆「エンレイ」と、白山霊山の伏流水を使用して作られたお醤油を守っているお醤油の生産地だ。


肝心な「シーズニングソルト」の使い方について。まずは、シンプルにご飯にかけて、ふりかけに。ホカホカご飯にかけて時間が経つと、粉末が液体へと溶けとろりとした状態に、味が濃く感じ、違った食感を味わうことができる。例えば、子供が大好きなツナ缶とともに使えば、こぼすことなく食事をいただけるため、プレゼントにも喜ばれる。

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次は、カキフライに。ずっとタルタルソース派だった私だが、「シーズニングソルト」でいただいたところ、タルタルソースを使うことなく完食してしまった。揚げ物との相性も良い。

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お醤油、ドレッシングなど、いろいろな伝統的な発酵食品を取り扱う直源さん。「しょうゆ麹(醤油こうじ)」も並んでいた。こうやって「しょうゆ麹」が世の中に広まっていることは、個人的に心の中で飛び上がりたいほどの瞬間だった。レシピを発表してから7年目、こうして作ってくださっているメーカーさんに心から感謝申し上げたい。

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話を戻して、いろいろなセットを組み合わせて国内外に手土産にできるよう、英語を入れたパッケージデザインにこだわりを持つ直源さん。海外の方にも日本の食文化が伝わりやすいだけでなく、あえてキッチンの飾りとして“見せる”のも素敵な使い方だ。

 

「シーズニングソルト」は、手のひらサイズの大きさ。液体でない分、軽い。お土産用にするには持ち運びも便利。正式なお礼などの手土産用なら、シーズニングソルト、しょうゆ麹(醤油こうじ)、ドレッシング、甘酒などをセットにすれば、見た目も鮮やかでデザイン性も高く、美容にも健康にもよい「発酵手土産」となる。

※掲載情報は 2017/04/26 時点のものとなります。

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キュレーター情報

高橋香葉

発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー

高橋香葉

「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。

主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等

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