アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

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アヌーナの美声とアイリッシュ料理のマリアージュ

アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

11月25日(火)の夜、アイルランド大使公邸で、ケルトミュージック「アヌーナ」のお披露目に合わせ、アイルランドの伝統料理を振舞われるパーティが開催されました。今回は関係者のみの招待ということで、駐日アイルランド大使のアン・バリントンさんにお話をお伺いしながら、過ごさせてもらいました。

アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

冬の寒さが本格化すると思われていた当日ですが、そこまで肌寒くもない気温。小雨がぱらつく中、アイルランド大使館公邸に到着。場所は元麻布、駅から距離はあるものの、周りは閑静な住宅街。エントランスでは関係者の方が出迎えをしていただき、歓迎ムードで包まれています。

アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

エントランス正面では、アイルランドと日本、そしてEUの旗が鎮座。室内の設えは暖色系の光と、木を基調とした優しい印象を与えます。

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部屋にはもちろん大きなクリスマスツリーが置かれていますが、リースやポインセチアが各所に配置され、クリスマスムードを高めます。

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まずは食事会場の隣で大使から、今回の参加者に対してのお礼の挨拶を頂きます。駐日アイルランド大使はアン・バリントンさんで女性の大使です。ご主人はアートに精通していて、室内のアート作品も手がけていらっしゃいます。大使からのスピーチは3点、今回のパフォーマー「アヌーナ」に関して、アイルランド経済の良いニュースに関して、2015年のイベントに関してでした。

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アヌーナは、アイルランドにとって素晴らしい「文化大使」です。音楽を通して、アイルランドに古くから伝わる伝統と、その現代解釈、再解釈を伝えています。世界的にも活躍をしており、今回は12月6日にすみだトリフォニーホールで行われるプラクトン主催「ケルティック・クリスマス」コンサートをはじめとしたコンサートツアーのために来日しました。2011年、東日本震災の発生後、アヌーナは福島県いわき市を訪れ、被災地の子供たちのためにコンサートを行いました。今回もアヌーナは来日ツアーで再びいわき市を訪れ、公演する予定です。

次にアイルランド経済に関してですが、回復に向かっております。今年の経済成長率も約5%成長の予測となっております。国際収支、失業率低下、雇用創出等の良い数値のおかげで、「フォーブス」はアイルランドをビジネスに最適な国として位置づけています。

そして来年のイベントですが、6月には生誕150周年を迎えるアイルランドの詩人W.B.イェイツに関するイベント、日本国内11ヶ所で予定されているセント・パトリック・デーのパレード、4月、5月にはリバーダンスが再び来日予定と大きなイベントごとが盛りだくさんです。

最後に、アイルランドの食品に関してですが、最近カナダのフード・センターによって、アイルランドは最も食品が安全な国のひとつとして認められました。今宵はアイルランドのクリスマス料理を皆様にご用意いたしました。どうぞお楽しみください。

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そして黒を基調とした衣装をまとった「アヌーナ」が登場。男性、女性の混合グループでアカペラで4曲披露。参加者はウェルカムドリンクを持ちながらこの時期にぴったりな透き通った声をうっとりと聞き入っていました。

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さあ、ブッフェスタイルのディナーが始まります。

お皿にはもちろん一つ一つアイルランドの紋章が描かれています。紙ナプキンの色はアイルランドの色とも言われる緑を基調としたもの。ちょっとした演出に細かい心遣いを感じます。こちらに関しても説明を頂きました。

Smoked Salmon(スモーク・サーモン)

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肉厚のスモーク・サーモンにディルを散りばめながらオーソドックスな料理。アイルランドは海産王国でもあるので、パーティの際にはよく最初の一皿として提供されることも多いです。

Roast Turkey with Sage and Onion Stuffing(ロースト・ターキーセージとオニオンのスタッフィング)

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Glazed Ham(グレーズド・ハム)

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欧米でよく食べられる、グレーズド・ハムはいわゆる、ハムの丸焼きです。こちらもよくクリスマスの食卓に並ぶもので、食卓を囲むみんなで切り分けます。ハニーマスタードでの味付けや、オレンジでの味付けなど家庭ごとに少しづつ違うのが特徴です。

Irish Cheese Bord(アイルランド産チーズの盛り合わせ)

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アイルランドは乳製品の文化も高く、良質なチーズも豊富です。今回はそのアイルランドでも評価が高いケリー・ゴールド社のチーズを用意いたしました。ビンテージチーズから、スモークチーズまでアイルランドのチーズ文化に触れていただきたいと思っています。黒ビール混ぜ込んだポーターチーズは、コクのある味わいを楽しませてくれます。

Brusshels Sprout, Red Onion and Bacon Crumle(芽キャベツ、赤タマネギ、ベーコンのクランブル)

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アイルランドで消費が高い芽キャベツ。今回は赤タマネギとベーコンを入れてスクランブルしています。アイルランドで伝統的に食べられる芽キャベツの風味をこの料理で味わっていただければと思っております。

Minced Pie(ミンス・パイ)

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こちらもクリスマスでは非常に定番のスイーツで、ミンスとはミンチの語源で、元来であればミンチされた肉を入れていましたが、現在はドライフルーツを主体としたものが入っています。今回は、柑橘系のドライフルーツを入れて提供させていただいています。

Cristmas Cake(クリスマス・ケーキ)

アイルランドのクリスマス・ケーキは日本のものと少し違います。1ヶ月前から作ります。中はドライフルーツがふんだんに入ったシフォンケーキで、外をアイシングといわれる砂糖の層でコーティングします。スポンジケーキとは違い、寝かせるほど美味しくなるとされているアイルランドの伝統料理です。

アイルランド大使公邸で催された音楽と食の饗宴

飲み物はもちろん、ギネスビールが中心に振舞われましたが、アイルランドならではのジンを使ったカクテルも。パーティにはアヌーナのメンバーも参加し、非常にアットホームな雰囲気でした。日本でも少しずつ知られるようになってきた「セント・パトリック・デー」や、「リバーダンス」、そして「ギネスビール」、何気に自分の身近に存在したアイルランド。「食」と「音楽」は非常に親和性が高く感じました。それはやはりどちらも伝統があり、人の感性に触れるからなのでしょうか。そんな音楽と食のつながりを感じた、とても心地よいパーティでした。

ポーターチーズ

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チェダータイプのチーズにアイルランド伝統のポーター(黒ビール)を混ぜ込んでいるチーズです。黒いマーブル模様は見た目にとてもインパクトがあります。食べるとコクのある味わいに、黒ビールの苦味が少し感じられます。合わせるなら、コクのあるイギリスのエールビールや黒ビールと一緒に。

※掲載情報は 2014/12/02 時点のものとなります。

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アイルランド大使館

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アイルランドは、北大西洋のアイルランド島にある立憲共和制国家です。北東に英国北アイルランドと接し、首都はアイルランド島中東部の都市ダブリン。アイルランド人にとって無くてはならないものは「じゃがいも」ですが、牧畜業が盛んなため、乳製品や肉、その加工食品が多く食されています。また、海に囲まれ、豊富な魚介類が取れる事から、特に西部では、シーフードを中心とした料理に定評があります。パブで味わう黒ビールとオイスターは、まさにベスト・マリッジです!近年の経済発展と共に海外の食文化も取り入れられ、伝統料理と組み合わせた多くの創作料理で外食産業を賑わせています。また、紅茶の消費量は世界一、ビールのスタウトが多く作られてます。ナショナルカラーが緑というほど、緑に愛されているアイルランドの食文化を通じて、少しでも皆様がアイルランドを身近に感じていただければと思っております。

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