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食べ方使い方いろいろ、アイデア次第でスプーン代わりにも!
私の専門はインド料理。インド料理とバナナチップは関係があるようでないようですが、南インドのケーララ州のサッディア(正餐)を出すときに、これは欠かせません。バナナの葉皿の端に甘いバナナチップと塩味のものを両方乗せます。これはできれば両方あるほうがよろしい。本当は塩味のものがあると嬉しいのですがこれはなかなか日本では難しいので、とにかく甘いバナナチップを探すわけです。
そしてそれは確かにたまに見つけることができます。けれどもほとんどは、なんだか古くなっていてサクッとしていなかったり固すぎてかなり食べにくかったり、ひどい時は湿気でかなり残念なことになっていたりします。ところが!やっと見つけたのが上野アメ横の小島屋さん。以前からドライフルーツはよく買いに行っていましたがバナナチップがこんなに美味しいとは盲点でした。
大事なのは調理用のバナナを使っているということなのです。その点もうばっちり。皮をむくときに包丁でむくような、野菜品種の固いものです。次に大事なのはココナッツオイルで揚げていること、これにはいい油を使っているということも含まれます。これは食べれば香りでわかります。
そして新鮮だということ。やはり揚げ物ですから時間が経っているのはいただけません。
これらをクリアしてお気に入りとなるわけです。取り寄せてニコニコと食べ続けるわけです。特に今回紹介した「厚切りブラウンバナナチップトースト」、これのウリは揚げた後でトーストしているから、より香りがいいというあたりだなーと。そんなことを考えながら。で……、気づくわけです。この長さは何かに使えると。
そこで冷蔵庫から出したアイスクリームに添えてみました。これですくってパクパク。少し置いてやや柔らかくなったあたりが最高です。パフェに刺してもいいですね、ソフトクリームならもっと向いていますね。いかがですか?ぜひお試しあれ。子どもさんたちなら大喜びすると思います。
※掲載情報は 2017/03/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
インドスパイス料理研究家
香取薫
有限会社 食スタイルスタジオ 代表取締役
キッチンスタジオ ペイズリー 主宰。
1985年、ボランティアで訪れたインドでスパイス料理に魅せられ、本格的に研究を始める。さまざまな地方で本場の家庭料理を習う。料理教室は1992年創業、数多くのインド料理店主、講師を輩出。教室にはスリランカ料理とアーユルヴェーダ料理コースも併設。ポリシーは日本の気候や日本人の味覚に合う健康的なスパイス使い。
著書に『5つのスパイスで作れるはじめてのインド家庭料理』(講談社)、『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』(河出書房新社)、『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ──食事で変わる心と体』(佐藤真紀子共著、径書房)、『『ひとりカレー かんたんレシピ45』(幹書房)、『家庭で作る本格インド料理』(マーブルトロン)、『アーユルヴェーダ・カフェ』(著・上馬塲和夫、料理・香取薫/地球丸)、『うまい、カレー。』(ナツメ社)、『チャラカの食卓 二千年前のインド料理』(伊藤武共著、出帆新社)などがある。
日本アーユルヴェーダ学会 評議員
日本香辛料研究会 会員