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手間暇かけたお赤飯の味を再現
小豆のほくほくした食感ともち米のもちもちした食感のコントラストがおいしいお赤飯。もともとは「赤」に邪気を払う力があるという謂れから、無病息災で過ごす願掛けや御目出度いハレの日などに食べられるようになりました。お食い初めから始まって、七五三、成人式、お盆・お彼岸など、行事の食卓を彩ってくれる一品ではあるのですが、前日から小豆やもち米の下ごしらえをしなくてはならなかったり、普段あんまり使わない蒸し器を出してこないといけなかったりと、手間暇がかかるため、一から作るご家庭も少なくなってきたと聞きます。でも、やっぱりないと寂しいものです。
そんな時に出会ったのが、今回ご紹介する「丹波大納言小豆の赤飯」でした。炊飯器で普通の白米を炊く時よりも簡単に赤飯が炊ける上に、手作りした時の味わいや食感そのままに楽しめるのです。
その秘密は、アルファ化米。加熱調理したお米を熱風で急速乾燥させておいしさを閉じ込めたお米のことです。お米に含まれるベータでんぷんをアルファでんぷんに変化させたまま乾燥させるので、炊いたお米のおいしさそのままに、腐りにくく、常温で長期保存することができるようになっています。さらに、洗米やつけ置きの必要がなく、水を入れて「早炊きモード」で炊飯するだけなので、生の白米を炊くよりも早くて簡単に赤飯が出来上がります。
手軽さとおいしさを通じて守りたいもの
この赤飯を製造しているのは、アルファ化米を作り続けて半世紀になるアルファー食品株式会社(島根県出雲市)です。この会社のモットーは、「愛情ごはん」。ごはんづくりにかけられる時間が少なくなってきた現代社会でも、手軽に、おいしく、安心して食べられるアルファ化米を提供することで、「食卓での笑顔を守りたい」という願いが込められています。
また、アルファ化米といえば、非常食のイメージが強い方も多いかもしれません。実際に、近年起きた国内外の災害の際にはこのアルファ化米が大活躍し、幾度となく農林水産大臣より感謝状を授与されています。不安な時ほど、食べ慣れたおいしいごはんがほっとした気持ちにさせてくれるのでしょう。
ごはんを食べて笑顔になるためには、「おいしさ」は欠かせません。そのため、こちらのお赤飯も、原材料に丹波の大納言小豆を使用し、さらにごま塩にいたるまですべて国産で統一する徹底ぶりです。
残ったお赤飯はおやつに変身
普通のごはんと同様、冷蔵庫に入れると固くなり食感やおいしさが損なわれるので、余った時にはおやつにアレンジしてしまいましょう。
市販のあんこでくるりと包むだけで、もっちりおいしいおはぎの完成です。ごま塩のしょっぱさが良いアクセントになって、ぺろりと食べられてしまいます。このほか、砂糖を混ぜたきなこをまぶしたり、砂糖を混ぜた抹茶をまぶしたりしてもおいしくお召し上がりいただけます。
水を入れて炊飯器の早炊きモードスイッチを押すだけで、30分後にはおいしいお赤飯ができあがります。最近作ってないなあ……という方も、ぜひ次のハレの日に、食卓に登場させてみてください。
会社名:アルファー食品株式会社(島根県出雲市)
住所:島根県出雲市大社町北荒木645番地
※掲載情報は 2017/02/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ソルトコーディネーター
青山志穂
東京都出身、沖縄県在住。
大手食品メーカー勤務から一転、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の立ち上げなどを行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げて独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの育成のほか、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行いながら、塩の啓蒙活動に努めている。有名シェフとの塩をテーマにしたコラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛ける。著書に「塩図鑑」(東京書籍)「琉球塩手帖」(ボーダーインク)「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。