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クオリティの高さとアイディアが詰まったホテルおせち
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日々ホテルを渡り歩くのが仕事のホテル評論家にとって、ホテル繁忙期は自宅に滞在!?できる貴重な時期。ホテルが多忙な時には取材を控えるからだ。繁忙期といえばゴールデンウィークやお盆などは代表的であるが、最も取材間隔が開くのは年末年始。とはいえ、ホテルには出向かないまでも、年末年始ならではの評論家的な忙しさがある。それは“ホテルおせちチェック”だ。
年末年始のホテルといえば、クリスマスケーキ、年越しステイプランなど多彩なチェックポイントがある。中でもテイクアウトグルメに着目すると、おせち料理は外せない。おせち料理といえば、毎年ヒートアップする多業種入り乱れての異種格闘技戦の様相を呈しているが、華やかさ、非日常感という点でもホテルのおせち料理には注目だ。
1年間に取材で訪れた、印象に残るグルメ体験をしたホテルからおせち料理を取り寄せる。2016年の印象的グルメホテルは、滋賀県琵琶湖畔のアーバンリゾートホテル「ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズ」だ。関西ホテル取材も多数こなすが、東京から車で出向きホテル周りをした最後に、同ホテルへ滞在しグルメを満喫するのが2016年多かったスタイル。
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という訳で2017年の正月は同ホテルのオススメおせち料理「<和 吉野>和風おせち」3段重を取り寄せた。
京阪神の中でも隠れた食材の宝庫といわれる滋賀県。流行を追い求めるような豪華絢爛といった派手さはないが、和洋中確かな食材と奥深い味でグルメ達を唸らせるホテルのおせち料理は期待度大。滋賀県には近江牛や近江米といったブランド食材をはじめ、日野菜や下田なす、北之庄菜や伊吹大根といった隠れた伝統野菜があり、琵琶湖で獲れる魚介類には、びわますや鮎、もろことしじみ、鮒に鯉などが有名なエリア。
おせち料理は定番スタイルがあるものの、じっくり味わうほどに地産地消をも知り得るご当地ホテルのおせち料理は、日本を感じる正月ならではの感動的なひととき。鮑や伊勢海老の旨煮、いくら、雲丹といった豪華食材の彩りはホテルおせちの真骨頂ともいえる。特筆すべきはこの連載でも紹介した同ホテルの人気テイクアウトグルメ「穴子寿司」の存在感だ。見た目はもとより味わう毎に確かな質は、さすがデラックスホテルと唸る。
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デザートもホテルおせち!?だ。おせちの“ような”スイーツBOXは「グランド ハイアット 福岡」のペストリー&ベーカリー スタール ヴァンシスの「おせちスイーツ」。おせちに見立てたスイーツを木箱に詰めた、同ホテルで予約殺到の人気スイーツ(店頭受け取りのみ可/2017年末は販売未定)。
二段の木箱の上段には、イチゴのショートケーキで表現した「ちらし寿司」、黒ごまやマロンなどの味のムース、チョコレートで再現した「筑前煮」、あんこロールの「伊達巻」、ココナッツムースの「かまぼこ」とユニーク。下段には、米菓子と苺ゼリーで再現した「手まり寿司」、クッキーの「薩摩芋」、アーモンドチョコレートの「黒豆」、そしてクッキーとアメリカンマスタードの「辛子レンコン」といった遊び心に思わず笑顔溢れる正月。
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同ホテルはアイディアに感心するヒットスイーツを続出させているが、2017年もアッと言わせる逸品との出会いを期待させるアイディアスイーツだ。
おせち料理はもはや、貴重な自宅でホテルクオリティを満喫できるはずせないイベントでもある。心は早くも2017年末のホテルおせち予約に先走る。
※掲載情報は 2017/01/25 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。