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きのこの香りに包まれて、寒い季節にはぴったり
鹿児島県大隅半島の端っこにある錦江町(きんこうちょう)。すみません、ここでご紹介する製品は作られるところには必ず行って見てくるのですが、ここは余りにも遠く、まだ未訪なのです。しかし、調べる限りにおいては、まず森が生み出す澄んだ水資源が豊富で、南九州きのこセンターという従業員20名ほどの小さな企業が、1975年よりじっくり「きのこ」と向き合ってきたわけです。自らを「きのこ屋」を言ってしまうほどピンポイントなマーケティング。
昨年初めに、とある展示会で乾燥エノキスープを試食したときの驚きは今も変わらず。当時は試作品だったのですが、その味わいは暖かく、優しく、そして食後感は気持ちを落ち着けてくれるものでした。
エノキというと寒い季節の鍋には欠かせないキノコです。安価で調理しやすく、万人受けするキノコではないでしょうか。しかし、椎茸のように乾燥させて保存できるものは見たことはありませんでした。ホームページにはこう書かれています。
「長年きのこ栽培に携わる中で、知られざる素晴らしい栄養素も明らかになってきました。特に、当社の主要商品であるえのき茸について、乾燥させることにより生まれるエノキキトサンやエノキタケリノール酸などの成分が、健康や美容に関心の高い方々から注目され、きのこの可能性に改めて期待をするところです。このような時代のニーズに合わせて、現在は、生えのき茸だけでなく、乾燥えのき茸等の加工食品もご提案しております。」(引用元:http://373kinoko.com/company/)
粉末状になったスープ、お湯を入れるだけで香り立ちストレートでいただけます。ねっとりとした、スープというよりブルーテに近いかもしれません。そこに乾燥させたエノキを浮かべると、さらに旨みが増してきます。さっぱりというより、濃厚な味わいが特徴です。
今年のお雑煮にはシメジも加えて「きのこ雑煮」も作ってみました。和洋折衷的なビジュアルと優しいキノコの味わいがとても新鮮。ミツバや青ネギを足しても楽しいかもしれません。自分なりのエノキスープが作れますね。
そして忙しい時の朝ごはんにもぴったり。パンと一緒にいただくだけでも、心地よく一日のスタートが切れるでしょう。日常食用にぜひストックしておきたい逸品だと思います。
注)「乾燥エノキスープ」と「乾燥えのき」は別売りになります。
※掲載情報は 2017/01/20 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。