冬限定の美味しさ!福井の一枚流し「水ようかん」

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“冬はこたつで水ようかん”が福井の常識!

福井県生まれの私にとって、これを食べねば冬は始まらない!という故郷の味が「水ようかん」です。“冬はこたつで水ようかん”といわれるくらい、福井では欠かすことのできない冬の風物詩。毎年、11月から翌年の3月頃までの期間限定で作られるもので、県内の和菓子店などで、それぞれ「水ようかん」が販売されます。

 

福井の冬の水ようかんは、大正~昭和にかけての丁稚(でっち)奉公の時代、京都に奉公に出た丁稚が、正月に福井へ里帰りする際に持ち帰った羊羹が発祥とも言われ、別名「でっちようかん」と呼ばれます。また、寒さの厳しい福井の冬の気候が、水ようかんの保存に向いていたのも、冬に定着した理由かもしれません。まさに、福井の食文化として受け継がれてきた冬の味覚なのです。

つるりとして美味しい!一枚流しの「水ようかん」

福井の水ようかんは、“冬に食べる”ということだけでなく、その見た目や味わいも特徴的です。

冬限定の美味しさ!福井の一枚流し「水ようかん」

福井の水ようかんは、平箱にようかんを流し込む“一枚流し”ともいわれる作り方で、B5サイズ、高さ2センチほどの紙の平箱に入っているのが一般的。蓋を開けると、透明なフィルムの下に、切れ目の入った板状の水ようかんが入っています。竹ヘラがついていて、切れ目に沿ってスーッとすくって食べる独特のスタイル。

 

そして、その味わいも、いわゆる羊羹とは全く違います。水分たっぷりでみずみずしく、つるりとした喉越しと、砂糖が控えめのやさしい甘み。水ようかんでこのサイズ!?と、驚かれる方も多いのですが、一口食べたらつるつるっと、あっという間にひと箱食べちゃった……というくらい、止まらない美味しさなんですよ!

冬限定の美味しさ!福井の一枚流し「水ようかん」

材料は、「小豆、黒糖、砂糖、寒天」といたってシンプル。昔ながらの製法で作られていて、この材料の中で、黒糖味が強めとか、寒天が多めでつるりとしているとか、口当たりが柔らかいとか……、それぞれのお店で微妙に味わいが違っていて、福井の人なら“自分好みの水ようかん”があるもの。

 

ちなみに、私のオススメは、福井県越前市(旧・武生市)の市街地にある老舗「高村菓舗」の「でっちようかん」。

冬限定の美味しさ!福井の一枚流し「水ようかん」

昔ながらの「でっちようかん」の名で、ちょっとレトロなパッケージも雰囲気があります。餡子と黒糖のバランスがほどよく(私はあまり黒糖が強すぎないのが好みなのです)、なめらかな舌触りで、ついつい食べ進んでしまうお味。

 

高村菓舗は、昭和初期、水ようかんが広まった当初から製造している老舗で、いまもその味を守り続けているそうです。お店の他には、地元のスーパーなどでしか扱っていませんが、地方発送も行っているので、知る人ぞ知る、武生の水ようかんを味わってみてください。

冬限定の美味しさ!福井の一枚流し「水ようかん」

この時期、福井県内では、様々なパッケージで、それぞれの違った味わいの「水ようかん」が揃います。ぜひ、いろいろ食べ比べて、素朴ながらも奥深い福井の冬の味を楽しんでくださいね!

 

店舗名:高村菓舗
住所:福井県越前市平和町12-13
電話:0778-22-5906 
FAX:0778-22-1012
※地方発送は5箱から(送料別途) ※賞味期限:製造日より6日

でっちようかん

高村菓舗 住所:福井県越前市平和町12-13

※掲載情報は 2016/12/01 時点のものとなります。

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キュレーター情報

天谷ゆか

フリーアナウンサー、ごはんソムリエ

天谷ゆか

福井県生まれ。福井放送(株)元アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ナレーターとして活動中。
 
着物の楽しさと、オーガニックコットンの心地よさや大切さを伝えるため、オーガニックコットンの木綿着物ブランド「るるん」立ち上げ、デザイン、プロデュースを手掛ける。

「食」への関心も高く、NPO法人 青果物健康推進協会所属の「ベジフルティーチャー」として、食生活の向上や食育、農業支援の活動にも積極的に参加。さらに、「ごはんソムリエ」の資格を取得。ごはんを中心とした和食の良さを伝えている。

趣味は、茶道、書道(四段)、ごはんの食べくらべ、日本酒、断捨離。

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