テリーヌはもともと“深い陶器”を指す言葉で、テリーヌ型に詰めて調理されたものは、すべてテリーヌと呼ばれます。ペースト肉や魚のすり身、野菜のゼリー寄せなどさまざまなテリーヌがありますが、そのほとんどは濃厚でリッチな舌触りが特徴です。ここではうっとりするくちどけのテリーヌスイーツを揃えました。余韻まで十二分にお楽しみくださいね！

東京・浅草や神田、東京駅などに店を構える『NOAKE TOKYO』が冬季限定で販売する『和栗のテリーヌ』。一見パウンドケーキのようですが、一口でその濃厚な食感に驚きます。緻密な質感と栗の甘味が滋味深く広がる生地には、たっぷりの栗ペーストが練り込まれ、高級栗として有名なイタリアピエモンテ産のマローニが散りばめられています。1本8千円台、ハーフでも4千円超という高級品ですが、一度食べたらその価値に納得するはず。

プリンスホテル系の最上級グレードに位置する『ザ・プリンス パークタワー東京』。ホテル内にある『ブーランジュリー トーキョー』で販売されているのが「抹茶のテリーヌ」です。濃厚な抹茶にチョコレートを合わせ、オーブンでじっくり焼き上げたテリーヌは、ふわっと溶けるしっとりした滑らかな食感で、凝縮された抹茶本来の旨味が一気に広がります。外国人への贈り物にも評判なのだそう。

神戸北野にある『ラヴニュー』は、グランドハイアット東京のペストリー料理長も勤めたオーナーシェフ平井茂雄さんのパティスリー。フランスのチョコレートメーカー『カカオバリー』のアンバサダーにも任命される、チョコレートのスペシャリストである平井さんが手がける「テリーヌショコラ」は、オリジナルチョコレート“オールノワール”を使用し、力強いカカオのアロマとほどけるようにとける食感が夢心地な一品です。

京都の洋菓子店『マールブランシュ』が手がけるチョコレート専門の新業態店『加加阿（カカオ）365祇園店』。こちらのテリーヌは、ホワイトチョコレートに抹茶を混ぜ合わせたなめらかな口溶けの「京ippon」です。究極のやわらかさと抹茶の濃厚な香りを追求し、中央がレア状態になるように火を入れ、上部を彩るビターチョコレートと抹茶の2層ソースが抹茶生地の風味をより際立たせています。

ここぞ！というときにおすすめなのが、京都『足立音衛門』の栗のテリーヌ「祈り」。オーダーメイドの特注品で、世界中から厳選した素材のバター、砂糖、卵、小麦粉、仕上げのお酒の配合を選べ、好みに合わせて、ミキサーなども使わずにパティシエの手作業だけで作られています。これでもかと詰まっている栗は、粒よりの丹波栗とヨーロッパ種の栗を低糖度で仕上げています。栗好きならずとも絶対に喜ばれるおつかいものです。

知る人ぞ知るスイーツ激戦区・浦和にある『パティスリー・アカシエ』。コンクールで優勝する腕前を持つシェフパティシエの興野さんは、おいしいチョコレート作りに日々真摯に取り組み、南米などの産地にも自ら足を運びます。その興野シェフが手がける「テリーヌショコラ」は、エクアドル産の良質なカカオ豆だけで作るクーベルチュールを使用。ねっとりとした口あたりと薫り豊かなチョコレートのおいしさが堪能できます。

見るからに濃厚でねっとりした食感が楽しめそうなこちらは、奈良県生駒市の閑静な住宅街に店を構える『抹茶菓子処 ふう』の「大和茶のテリーヌ」。大和茶は、奈良県の東北地域に広がる大和高原で作られている由緒正しきお茶。茶栽培には厳しい環境の高原が香り高く良質な茶葉を育みます。フランス・ヴァローナ社のホワイトチョコレートと大和茶の抹茶を合わせた生地は、食べた人だけが出会える魅惑的な口どけです。

とりわけが簡単で、もっと気軽に楽しめるテリーヌなら、『ニュースタンダードチョコレートキョウト by久遠』の「京テリーヌ」はいかがでしょう。ナッツ＆ドライフルーツ、黒豆＆抹茶といった和食材の組み合わせの絶妙なバランスが楽しめる新感覚のチョコレートです。味わいはもとより、ポップでかわいいビジュアルも喜んでもらえる理由のひとつ。行列店としても名高いお店なので、チョコレート好きへのギフトにもおすすめです。