大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

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「食」に見る長い歴史が育んだ東西文化の融合

大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

10月6日(木)、東京・港区の駐日ポルトガル大使公邸にて、マカエンセ料理レシピ&エッセイ『コメ・キ・クーザ?』(何を食べようか?)の出版記念イベントが行われました。

 

「マカエンセ」とは、16世紀半ばの大航海時代、ポルトガル人が極東貿易の拠点としてマカオに定住するようになってから、現地の人々との間に生まれた「混血」の人々の呼び名で、ポルトガル語で「マカオのポルトガル人の子孫たち」という意味です。

大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

駐日ポルトガル大使公邸

 

フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス駐日ポルトガル大使は「かつて、ポルトガル人がアジアとの交易の拠点としてマカオに来航しました。西洋と東洋の文化の影響を受けたマカオは世界でも有数のフュージョン(混交)文化が際立った土地で、その土地の文化を伝えるのには食事を知っていただくことが一番です」と挨拶し、著者であるカルロス・カブラル氏を紹介しました。

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来日したカルロス・カブラル氏(著者)(左)とフランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス駐日ポルトガル大使(右)

 

著者のカブラル氏は、「日本の皆様にマカエンセ料理という大航海時代から続く伝統の食文化を紹介できて嬉しいです。長い間受け継がれてきた、マカエンセの伝統料理をお楽しみください」と挨拶しました。

 

そして、ポルトガル人が大航海時代に辿ったルートの影響を色濃く残した東西融合の味とも言える、「マカエンセ料理」がゲストに披露されました。

門外不出だった秘伝のマカオ伝統料理

大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

「サンバウ・マルゴーゾ」(エビとゴーヤ炒め)

 

エビとゴーヤを炒めた料理には、「バリシャオン」というマカオで使われているエビペーストが使用されています。エビの風味が際立ち、ほのかなゴーヤの苦味がアクセントになっています。

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「マカオビール・ブロンドエール」(マカオ地ビール)

 

食事に合わせ、マカオで唯一の地ビールが用意されました。褐色のビールはベルギーなどに代表される「エール」タイプ。まろやかで、香り高くフルーティーな味わい。

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「カリウ・デ・キアーボ」(オクラとエビのカレー)


香辛料のスパイシーな風味が効いたサラッとしたカレー。歯ごたえのあるオクラとプリプリとしたエビの異なる食感が楽しめます。

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「カペラ」(ポークのオーブン焼き)

 

カペラとは、ポルトガル語で「教会」の意味。豚ひき肉やオリーブを細かく砕いた種をサークル状に焼いた料理。濃厚な旨味の中に隠し味のエダムチーズが効いています。

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HERDADE DE GÂMBIA(ロゼワイン)

 

ワインはポルトガルから。個性的な「マカエンセ料理」に柔らかな酸味の効いたロゼワインは口に含むと華やかな香りが広がり、まさに東洋と西洋の融合を感じさせます。

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「ミンチー・トラディショナル」(ひき肉炒め、フライドポテト添え)

 

マカエンセのどの家庭でも作られるという定番料理ですが、作り方は各家庭によって異なります。しっかりとした味付けなので、ご飯と一緒に。

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「ポルコ・バリシャオン・マルゴーゾ」(マカオ風ポーク)

 

シュリンプソースの「バリシャオン」とタイなどで多く用いられる果実のタマリンドを使って味付けをした豚肉の煮込み料理。

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「セリカリオ」(焼きプリン)、「ボーロ・メニーノ」(小麦不使用のケーキ)、「ジェネッテ」(コーンスターチビスケット)、「ケキ」(ポートワイン、ブランデー、ラムを使った英国風ケーキ)

 

食後に出されたデザートはどれも素朴な味。祝祭時に出されるという伝統菓子の「ケキ」は一切れずつ白いレースの紙で可愛らしく包まれ、祝事に合わせたリボンの色で飾る慣習があります。

大航海時代がもたらした東西融合の食文化!ポルトガル大使公邸で味わうマカエンセ料理

「コメ・キ・クーザ?」(何を食べようか?)著者カルロス・カブラル
※日本の書店での販売は行っておりません。

 

家ごとに代々秘伝のレシピとして受け継がれてきたため、門外不出といわれた「マカエンセ料理」。マカエンセ伝統の味を継承していきたいという著者の想いが溢れるエピソードとともに、貴重なレシピが紹介されています。

※掲載情報は 2016/10/16 時点のものとなります。

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ポルトガル大使館

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ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガルは、日本が初めて出会った西洋の国です。1543年の種子島到来をきっかけに日本に南蛮文化を伝えたポルトガルは、日本人の日常生活や食文化に深い影響を残しました。皆様も歴史の授業でポルトガル人到来は勉強されたのではないでしょうか。
鉄砲、西洋医学、絵画で使われる西洋技術、西洋音楽・洋楽器、天体観測機、パンや菓子等、この時代にポルトガル人が日本に伝えたものは数多くあります。カステラ、金平糖、ボーロなどは語源もレシピもポルトガルからもたらされました。パン、コップ、ボタン、てんぷら、おんぶ、かっぱ、ばってら、じょうろ、チャルメラ、オルガン、カルタ、シャボン、タバコ、ビロード、ビードロ等、日常語として定着している数多くの言葉がポルト ガル語由来なのです。
歴史的建造物、自然景観、多彩な食文化、温暖な地中海性気候、15箇所の世界遺産と、無形文化遺産に認定された民謡「ファド」などの多様な魅力に魅せられ、ポルトガルを訪れる観光客はリピート率が高いことで有名です。「初めて訪れるのに懐かしい国」と多くの日本の皆様に親しまれるのも、470年以上にわたるおつきあいがあるからかもしれません。

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