「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

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「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

「あんこ」の"あん"は「餡子」の"餡"。餃子の"あん"や枕の"あん"の「餡」である。つまりは中に入っている詰め物、「具」を意味する。なので、いわゆる和菓子の小豆の「あんこ」はそのまま食べるものではない。生地などに包まれている、サンドされている、あるいは乗せられたりすることが、あんこの本懐なのである(笑)。

「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

その本懐をとげた代物がコレ。東海道五十三次39番目の宿場町「池鯉鮒(知立)」の茶店「小松屋本家」で、1889年に販売されたという「あんまき」。溶いた小麦粉を焼いた生地に小豆の「あんこ」挟んで販売したのが始まりで、街道の旅人の腹を満たす菓子として、実に評判となり周辺に広まったという。現在、三河地方や名古屋市内の駅売店などで、よく見かける「あんまき」は、「小松屋本家」がルーツなのだ。

「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

添加物をつかわない素材で、現在で5代目となるご主人が一枚一枚鉄板で手焼き。「あんこ」を包み焼印を打ち、木製の番重にしまわれている。この一連の流れが、実に「浪漫」で美味しい! (笑)

「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」
「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

iPhone6plus大のずっしりと重い「あんまき」は、いわゆる今川焼や大判焼きと似た生地と言えば良いか……頬張るほどの大きい食感に、粒を感じる粒あん。口どけが良いとか、甘さにキレがあるとか、そんな人工的な媚びた味とは一線を画す旨さ。もう一種類の「白あん」は丁寧に濾され、幾分上品な味わい。どちらもその存在は逸品と呼ぶにふさわしい。

「あんこ」の本懐、小松屋本家の「あんまき」

現在の焼印は知立のマスコットキャラクター「ちりゅっぴ」なのは、ご愛嬌(笑)

元祖あんまき 黒餡、白餡

小松屋本家

※掲載情報は 2016/09/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

スイーツ番長

グルメプロデューサー、グルメブロガー

スイーツ番長

強面のルックスとスイーツのギャップ、そのライフスタイル、そして見識の深さ、個性的な文体と美しい写真による独自のスイーツ評が耳目を集め、テレビ、ラジオ、新聞雑誌、WEBコンテンツ、ソーシャルメディアなどでも活躍するほか、スイーツ&グルメなどのプロデュース、催事、イベント等も精力的に展開する傍ら、テレビコマーシャルなどにも出演。世界最大級の女子会と呼ばれる日本女子博覧会グルメ&スイーツプロデューサーに就任し博覧会イベントなどを積極的に展開している。
著書に「男のパフェ」(日本出版社)、「スイーツ番長の至高の10大スイーツ」(東京書籍)、「手みやげスイーツ100選」(東京地図出版)。TSUTAYA.com eBOOKs「ガチで美味しいパンケーキBest34 首都圏版」では自ら電子書籍の編集人も負う。
フードキュレーター協会代表、2014年にグルメブログのインフルエンサーユニット「たべあるキング」を旗揚げし主宰を務める。

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