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香り高く、色味も濃厚
先日、ふとお茶屋さんの前を通ると、「おすすめ」と書かれたお茶が並んでいました。どこのお茶だろうかと立ち止まると、「岐阜県のお茶」とのこと。通常、お茶屋さんに置かれているお茶といえば静岡県や鹿児島のお茶が多いなか、岐阜県のお茶というのは珍しくて、とても心をひかれました。以前飲んだ岐阜の美濃白川茶がとてもおいしかったということもあり、その忘れられない味を思い出しながら、衝動買いをしてしまいました。それがこの「かおる」というお茶でした。このお茶は萎凋(お茶の葉を摘んだ後、しばらくの間、置いたままにする)という製法により、独特の香りを出しているお茶。色・香り・風味、全てが本当に素晴らしくて、一口飲んだ時に「またまた素敵なお茶に出会ってしまった!」と思わず、友人に伝えてしまった程。
このお茶が作られた場所は、白川町・東白川村。昼と夜の温度差が大きく、山間に立ち込める深い朝霧が日光を遮るため保温効果があるので、旨みたっぷりのお茶ができる場所です。深い緑の色に癒され、香りもとても分厚いのです。一口飲むとお茶なのに、最初に、べっこう飴のような濃厚な旨みが顔を出します。鼻からふわっと抜けるお茶の香りも黄金色のイメージで、凄く立体的な味のお茶。個人的に、この飲みこんだ後「鼻から抜けるお茶の香り」が特徴的なお茶を私は好むことが多いのですが、まさにそんな私にぴったりのお茶でした。今まで鼻から抜ける香りなんていうことに気が付かなかった方も、そういう目線でお茶を選んだことがない方にも、このお茶はわかりやすく感動させてくれると思います。
普段からお茶をたくさん飲んでいる方やお茶が大好きな方にも楽しんでもらえるような個性的なお茶なので、プレゼントにもおすすめです。暑くなったり肌寒くなったりするこれからの季節。普段のお茶に飽きてしまったなんていう方にも、ちょっと気分を変えたいという時に贅沢なひとときを感じさせてくれるお茶を是非飲んでみてくださいね。
※掲載情報は 2016/05/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本茶アーティスト・煎茶道東阿部流師範
茂木雅世
急須で淹れるお茶とその「まわり」を、ちょっとおもしろくする人。煎茶の出番すらなかった場所にも積極的に急須とともに参上し、全国様々な場所でJAPANESE TEA PARTYを開催。多くのクリエイターとコラボをしながら普段急須を使ってお茶を淹れない若い人にも「やっぱり急須のお茶っていいね」と思ってもらえるきっかけとなるような風景や場所、物を多く生み出しています。