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年に1度のワールド･マルベック・デーで出会ったワインたち
『マルベック』というブドウ品種をご存知でしょうか。以前はフランス南西部が有名でしたが、こちらは「黒ワイン」と呼ばれるほどの濃厚な色や口当たりの強さ、重厚さ、余韻の酸と渋み、苦味も手伝って、非常に強いワインという印象を持たれて、それが人気でもありました。そのマルベックが近年、注目を集めています。中心地は、アルゼンチン。
以前、私の記事、『【ワインを贈る#1】気品と重厚と革新。目上の方にこそアルゼンチンワインを。』
（http://r.gnavi.co.jp/ippin/article-4745/）でもご紹介しましたが、世界的な名産地のひとつに数えられるようになったアンデスの高地メンドーサ地区をはじめ、マルベックを使った素晴らしいワインが生み出され続けています。特徴はそれぞれのワインによって違いますが、重さや濃さはしっかりと堪能できるものの、大げさな苦味も行き過ぎた果実味もなく、緊張感よりも心にゆるやかなリラックスをもたらしてくれるのがおおむねのキャラクター。今の時代にちょうどよいワインということなのか、輸出量も増大。毎年4月17日には『ワールド・マルベック・デー』が開催され、ロンドンやニューヨークなどでも盛り上がりを見せる中、東京でもスタート。アルゼンチン大使館で行われたテイスティング会には、個人的にも数年前からマルベック押しをしてきた私も参加し、今のマルベックの最新アドレスを体感してきました。
ということで、テクニカルだったり、ワインそのものの知識はまたの機会として、そこで出会ったマルベックワインたちはやはり心の心地良い緩やかさと飲み応えを感じさせてくれるものでした。そして、あなたが感じるアルゼンチンのイメージに、マルベックは寄り添ってくれます。アルゼンチンといえば牛肉王国。豪快に食らう上質なステーキには、重いけれどドライ、ジューシーではあるけれど余計に広がり過ぎない、濃くても軽々いけてしまうマルベックはぴったり。下の写真の『ラガルデ プリメラス ヴィーニャス マルベック』なら、タンゴとともに。タバコやチョコレートを思わせる香りと甘すぎず苦すぎない甘苦さは、官能的。美しいタンゴダンサーの、静かな旋律の中のからみあい。大人のエレガンス、それもかなり艶っぽい複雑なエレガンスをゆっくり味わえるでしょう。華麗でスペクタクルなアルゼンチンサッカーに合わせて飲むなら、ロゼのマルベックもお似合い。シンプルな塩コショウをしたチップスやローストしたナッツなど、大人のスナックをパクつきながらゲームに熱中も楽しいもの。
アルゼンチンのマルベックと出会うことは、それほど難しいことではありません。最近ではコンビニやスーパーでもラインアップされはじめたし、WEBでも容易に手に入ります。あとは好奇心。最後に紹介するワインは、『クリストバル 1492』。スペイン語ではクリストバル･コロン、英語でいえばクリストファー・コロンブス。そう、大航海時代の英雄、コロンブスが新大陸を発見した1492年を名に冠したこのワインに出会えば、そこからあなたにとってのマルベックの魅力溢れる航海もはじまるかもしれません。
※掲載情報は 2016/05/12 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ワインナビゲーター
岩瀬大二
MC/ライター/コンサルタントなど様々な視点・役割から、ワイン、シャンパーニュ、ハードリカーなどの魅力を伝え、広げる「ワインナビゲーター」。ワインに限らず、日本酒、焼酎、ビールなども含めた「お酒をめぐるストーリーづくり」「お酒を楽しむ場づくり」が得意分野。
フランス・シャンパーニュ騎士団 オフィシエ。
シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。
日本ワイン専門WEBマガジン「vinetree MAGAZINE」企画・執筆
（https://magazine.vinetree.jp/）ワイン専門誌「WINE WHAT!?」特集企画・ワインセレクト・執筆。
飲食店向けワインセレクト、コンサルティング、個人向けワイン・セレクトサービス。
ワイン学校『アカデミー・デュ・ヴァン』講師。
プライベートサロン『Verde（ヴェルデ）』でのユニークなワイン会運営。
anan×本格焼酎・泡盛NIGHT/シュワリスタ・ラウンジ読者交流パーティなど各種ワインイベント/ /豊洲パエリア/フィエスタ・デ・エスパーニャなどお酒と笑顔をつなげるイベントの企画・MC実績多数。
