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日本を離れた長い年月。変わる人生とカカオとの出会い。
現在浸透しつつあるBean To Ber。
その流れは色々な形で繰り広げをされておりますが、先日、福岡県久留米市のいちご農園で一人のフィジー在住の日本人女性と出会い、新たなショコラに触れることが出来ました。
そのショコラは単に出会ったという軽いお話ではなく、「FIJIANACACAO」は長い年月の苦労と色々なご縁の末に出来上がったものでした。
12年ぶりに日本へ帰国したという図越治美さん。
そんな奇跡的な時間をともにすることが出来た私も幸運。12年もの間、生まれ故郷に帰れないってどんなものなのか。故郷が決して近い場所ではない私ですが、私にはわからないくらい想像を絶することなのでしょう。
結婚をして家族でフィジーへ移住。
そこからはまるでドラマのような人生で目が丸くなるようなストーリーですが、試行錯誤をして出来上がった「FIJIANACACAO」は、今まで見たショコラよりも心あるものに感じました。
治美さんがフィジーへ移住してからは、日本食レストランを家族で経営しながら生活をしていました。ですが、現地は観光とは少し現実が違う部分もあり、レストラン経営を余儀なく閉店することになります。生活することの困難を抱えながらフィジーで出来ることを探しでいるうちに、8年前にジャングルでカカオの生産者と出会います。
フィジーでは政権交代後にカカオの生産者への制度が変わり、カカオを育てる方がどんどんと減りゆく流れがありました。その中でも密かに育てていつかそのカカオを世に出していくあなたたちが現れるのではないかと待っていたというカカオ生産者との不思議な出会いがショコラとの始まりです。
これぞ産物の心が見える!
とても貴重なものに出会ったと今では思っています。
治美さんの苦労は優しい表情と生まれ変わり、その中の温かい心がグッと私の中に入り込みました。
カカオの栽培から製造まですべて手作りを試みる
カカオに出会ってからはカカオの栽培を始めて、その後はカカオ作りにも励んだそう。
今では、色々な生産者さんとの提携をしておりますが、当初は決して裕福ではありませんので、本当に小さな工場で失敗を繰り返しながらの出来上っていきました。現在は、あらゆる方面でのパートナーシップを組むことが出来、カカオの生産はもちろん栽培の援助にも貢献されています。
そんなストーリーのある「FIJIANACACAO」ですが、中でもこのカカオ分81%のピュアダークチョコレートは、チョコレート好きならかなりお勧め!通常の81%なら苦みが強いのですが、島でとれた砂糖など使うだけでなのに食べてみるとそこまでの苦みはなく、逆に食べやすい通常のスイートチョコレートと同じくらいの味です。
Bean To Barの特徴は、純な素材のみで作られている為、口どけもよく味も後味が引かない。割り砕くときも通常のチョコレートは固いのが多いので割るのに力がいることもありますが無垢なチョコレートは柔らかみがあるので割ることも簡単で、少し力を入れるだけでボロボロっと崩れていきます。
81%のピュアダークチョコレートの他には、ミルクやホワイトなどの多彩な種類がラインナップされています。
現在はフィジー国内にはもちろん日本にも流通されて、新宿ルミネや梅田阪急などでも販売されています。
お見掛けしましたらぜひお手に取っていただきたい!
今一押しのチョコレートです。
※掲載情報は 2016/04/28 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツプランナー
山口真理
福岡と東京を拠点とし、カフェや企業などのメニュープランニング多数。全国を訪れて生産者と出会い、食卓をつなぐパイプ役として素材をベストな状態でスイーツに添えるレシピ提案をする。福岡県農商工連6次化産業開発アドバイザー。農家をピックアップした冊子と食材をセットで送る「ふくおか食べる通信」レシピコーナー撮影フードスタイリスト並びにメニュー開発。フードコーディネーターとして撮影スタジオでのフードスタイリングも多数。Yahoo!JAPAN「日本の定番選定委員会スイーツ101」選定人。フェリシモ商品「シリコン型お菓子の会」「ミニシリコン型お菓子の会」プロデュース。フェリシモ出版「毎日のごはんを楽しく作る雑貨のカタログSweetsBook」ポプラ社「スイーツの仕事」出版。文化放送「ピピットサンデーWakuwakuMix」出演。