記事詳細
紹介している商品
ユニークな形の「ブレーツェル」
ドイツの食文化を象徴するものの1つに「ブレーツェル」(Brezel)があります。小麦粉とイーストを原料とし、最も定番のものは焼く前に数秒間ラウゲン液(水酸化ナトリウム水溶液)につけて作るので、ドイツではLaugenbrezel(ラウゲンブレーツェル)と呼ばれています。独特な形が日本でもお馴染みのパンですが、なぜ「ブレーツェル」はあの形をしているのがご存知でしょうか。こちらは諸説ありますが、もともとはキリスト教徒が断食の時期に、この「ブレーツェル」を用意して食べた事が始まりとされています。あのユニークな形は、祈る時に腕を胸の前で交差させて、反対側の肩を触る祈りのポーズを模っていると言われています。
1本のパン生地から作られる
「ブレーツェル」は、棒状のパンをいくつにも切ってあの形にしていると思っている人も多いかと思いますが、実は1本のパン生地を長細く伸ばして空中で形を作っているのです。実際に職人が「ブレーツェル」作るところを見ていると神業ともいえるほど、あっという間にあの形を作っていきます。定番のラウゲンブレーツェルは、表面に岩塩がついているので、手で払って塩加減を調節しながら食べます。
またバイエルンでは、イースターの時期にはラウゲン液につけずに焼いた別の種類の「ブレーツェル」を食べることもあります。また毎年9月末から10月初めにかけて行われるビールの祭典「オクトーバーフェスト」で飲む1リットルのビールには、顔ほど大きなブレーツェルが欠かせません。その他にも生地の中にカスタードプディングが入ったものなどもあり、本場ではそのバリエーションはさまざまです。
ドイツでは日常の中に必ずあるもの
ブレーツェルは、元々はバイエルンなどドイツ南部でよく食べられるパンでした。白ソーセージ、白ビール、そしてブレーツェルはバイエルン地方の代表的特産品として、3点セットで世界的にも広く知られています。
現在は、ドイツ全土の街のいたるところでブレーツェルを見つける事ができます。駅のキオスクやパン屋、スーパーなど簡単に、安く手に入るので、小腹がすいた時にスナック感覚で食べたり、ビールのおつまみとしてなくてはならない存在でもあります。またドイツでは、パン屋さんのシンボルマークとしても親しまれていて、そのカリッとした食感としっとりとした中のパンの2つの食感がずっと愛される秘訣です。ドイツビールと一緒に是非、本場の「ブレーツェル」を味わってみてください!
※掲載情報は 2016/03/22 時点のものとなります。
- 4
キュレーター情報
ドイツ連邦共和国大使館
駐日ドイツ連邦共和国大使館は、日本におけるドイツ政府を代表する機関です。ヨーロッパの中心に位置しているドイツと日本は、去る2011年、外交関係を樹立してから150周年という節目を迎えました。そして、今後も互いに両国が協力し合いながら、現在の友好関係を保ち、またより深めながら手を取り合って未来へ向かっていこうという思いをこめ、「ドイツと日本-ともに未来へ」というモットーの下、日本の皆さんにより深く、広く、ドイツを知ってもらうべく、様々な形で活動を行っています。こちらのサイトでは、ドイツの伝統や郷土・食文化についてお伝えします。