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黒い森でしか作られないハム
ドイツ南西部、バーデン・ヴュルテンベルク州にあるシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald=黒い森)地方。森と水など自然に恵まれた土地で、様々な名産品があります。
このスモークハムもその一つ。Schwarzwälder Schinken(シュヴァルツヴェルダー・シンケン)と呼ばれ、1997年からEUの原産地呼称にも登録されています。
ハムをスモークするのは、ドイツなど寒い地方で発達した方法です。南欧のパルマハム、イベリコハムなどは空気乾燥させて作りますが、ドイツでは、カビの発生を防ぎ、長く保存させるため、スモークする方法が取られました。黒い森地方以外でもスモークハムが作られています。
黒い森地方では、地元の森のモミの木などの針葉樹を使ってスモークしています。
ジュニパーの枝
スモークによる独特な味わい
ハムはまず塩をした後、ニンニク、コリアンダー、コショウ、ジュニパーなどメーカーごとにオリジナルミックスのスパイスを擦り込みます。容器に入れ重ねておくと、水分が出てきます。数週間後肉を取り出し、数日の間塩分がまんべんなく行き渡るよう、寝かせます。その後最低1週間、燻製室に入れて低温で燻製した後、さらに数週間適温で熟成させます。こうして出来上がったスモークハムは、つやのある黒っぽい茶色の表面をしており、個性的な力強いアロマを持ちます。
ヴァインズ社のスモークハム
今回ご紹介するのは黒い森地方で1966年に創業したヴァインズ社のハム。オリジナルの塩とスパイスのミックスを擦り込み、黒い森のモミの木、トウヒ、ジュニパーの枝を使って25度でスモーク。強すぎず、それでいてしっかりとしたアロマ、マイルドな味わい、滑らかな舌触りのこのスモークハム、そのままおつまみ、前菜として、またはパンに乗せたりサンドイッチとしていただくのはもちろん、いろいろな料理のトッピング、アクセントにぴったりです。
数年前同社が出展した展示会では、ハムにクリームチーズを巻いたのをお勧めしていましたが、これが美味しくていくつもいただいてしまいました。
皆さんもぜひお試しください。
※掲載情報は 2016/01/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ食品普及協会 代表
森本智子
ドイツ在住11年、日本帰国後はドイツ農産物振興会日本事務所にマーケティングマネージャーとして勤務。2010年同団体の解体を機に独立、株式会社エルフェンを立ち上げドイツ食品・飲料の輸入・販売サポート、展示会の出展サポート・コーディネート、ドイツの展示会、会社訪問のガイド・コーディネート、ドイツ食文化セミナーの開催、ドイツの食の情報発信に関わる活動を行っています。
株式会社エルフェン:http://elfen.jp/
一般向けのイベントではドイツ大使館主催「ドイツフェスティバル」の立ち上げ、運営メンバー。
日本ではただひとり、ドイツ ドゥーメンス・アカデミー認定ディプロム・ビアソムリエの資格を持つ。
なかなか日本では知られていないドイツのおいしい物をご紹介していきたいと思っています。
著作:フォトエッセイとイラストで楽しむ ちいさなカタコト*ドイツ語ノート 国際語学社
ドイツパン大全 誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5380