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ライムのように爽やか
一年中見かけるレモンにも、ちゃんと旬がある。国産のレモンならそれがよく判る。10月になって出回ってきたのが、広島で露地栽培されたグリーンレモン。まだ青いうちに収穫したから、こんな若々しい色をしているのだ。ナイフで切ると、まるでライムのように清涼な香りが立ち昇る。この同じ果実が1月になれば成熟して色づき、イエローレモンになる。グリーンレモンもイエローレモンも、元は同じ樹から穫れるわけだ。
皮ごと味わいたい
広島は国産レモンの一大生産地。一大も一大、生産量で日本一である。中でも「広島レモン」と名乗っているものは防腐剤を一切使わないから、皮ごと味わえるのだ。今年はたくさん入手できたので、まずは塩レモンを作った。作り方は、いろんな方がネット上で紹介しているが、僕はソルトコーディネーター・青山志穂さんのやり方を踏襲している(ippinのキュレーターです)。
長期熟成させてとろとろになった塩レモンは、例えば豚肉を焼くときなど、皮ごと刻んで使うと実に美味しい。なんとなれば、防腐剤を使っていないレモンが安心なのは言を待たない。
今回は塩レモンではなく、フレッシュなグリーンレモンを使って缶たんクッキングに臨みたい。味の加久の屋のさば缶「八戸鯖」を使った「さばのレモン焼き」であります。
焼いても美味
かくのごとし。
耐熱容器にスライスした玉ねぎをしき、さば缶の缶汁をかけてよく混ぜる。そのうえに、食べやすい大きさに切ったさばの身と、スライスしたグリーンレモンを散りばめ、魚焼きグリルで8分ほど焼いた。食べる前にEVオリーブ油をかけて黒こしょうをガリガリやれば缶成であります。
酸味の柔らかいグリーンレモンに、脂の乗ったさばがよく合う。缶汁の染みた玉ねぎも実に美味。さばのDHA・EPA も摂れるから「いうことなし!」である。ほかにブロッコリーやいんげんも加えれば、彩りがもっと鮮やかになっただろう。
12月頃まではグリーンレモンが出荷されるらしい。まさに旬の時期だけの愉しみであります。
※掲載情報は 2015/10/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
缶詰博士
黒川勇人
昭和41年福島県生まれ。平成16年から世界の缶詰を紹介する『缶詰blog』を執筆。缶詰に精通していることから"缶詰博士"と呼ばれ、TVやラジオ、新聞など各種メディアで活躍中。国内外の缶詰メーカーを訪れ、開発に至る経緯や、製造に対する現場の“思い”まで取材するのが特徴。そのため独自の視点から缶詰の魅力を引き出し、紹介している。
著書は『おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)、『缶詰博士・黒川勇人の缶詰本』(タツミムック)、『缶づめ寿司』(ビーナイス)、『日本全国ローカル缶詰 驚きの逸品36』(講談社プラスアルファ新書)『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社プラスアルファ新書)、『安い!早い!だけどとてつもなく旨い! 缶たん料理100』(講談社)など。小曽根マネージメントプロ所属。
お問い合わせ Mail:k-k@kosone-mp.com