とても貴重な萩土産。夏蜜柑をまるまる一つ使って伝統製法で作る「夏蜜柑丸漬」

とても貴重な萩土産。夏蜜柑をまるまる一つ使って伝統製法で作る「夏蜜柑丸漬」

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丁寧な製法が生み出す絶妙なバランス

とても貴重な萩土産。夏蜜柑をまるまる一つ使って伝統製法で作る「夏蜜柑丸漬」

山口県萩市からのお土産で「夏蜜柑丸漬」という貴重な伝統的お菓子をいただきました。その名の通り、萩名産の美しい夏蜜柑がまるまる一つ使われています。切ってみると、中身はなんと半透明の白羊羹。蜜柑の部分は、蜜が染み込んでゼリーのようにオレンジ色が、美しい半透明になっています。表皮の部分にはグラニュー糖がまぶしてあるので、一見とても甘いのかなと思ったのですが、食べて見ると、マーマレードのように絶妙な柑橘の皮の苦みと羊羹、蜜の甘さのバランスがちょうどとれていて、お茶菓子として頂くのにぴったりの甘みです。

 

調べてみると、この夏蜜柑丸漬は大正五年から伝統製法で5日をかけて丁寧に手作りされているようで、カンナで表皮を1mmだけ削った後に中身をくりぬき、皮を二晩アク抜き、蜜で煮込み、さらに夏蜜柑の自然香料が加えられた白羊羹を流し込んでふたをして固める。最後にグラニュー糖をまぶしてから落ちつかせるのだそうです。柑橘類と羊羹という組み合わせは新鮮でしたが、羊羹にも夏蜜柑の風味をしっかりとつけている事や、丁寧なアク抜きの過程によりこのようにバランスのとれた一品が出来上がったようです。

 

年明けのシーズン時期以外は製造個数に限りがあり全国発送していないのでかなり貴重ですが、ぜひ美しい萩の町に訪れた際には老舗店舗を訪れてみたいものです。 

※掲載情報は 2015/10/07 時点のものとなります。

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キュレーター情報

鈴木ありさ

ケーキデザイナー

鈴木ありさ

幼少時代からアートや海外のパーティーに興味を持ち、大学ではビジュアルアートを専攻。学生時代に訪れたボストンでケーキビジネスの存在を知り、日本にもスペシャルティーケーキの文化を広める存在になる事を決意。本場の技術を学ぶため、NYにあるThe Culinary Institute of America ペイストリーアーツ学科に進学。ケーキデコレーション第一人者であるBetty Van Norstrand氏と全米最高峰との呼び声も高いケーキデザイナー Ron Ben-Israel氏の元で学ぶ。二年次には学校代表でコンペティションでのセンターピースを任され金賞と最優秀賞と獲得。卒業後、元ファッションデザイナーCharlotte Neuville氏のケーキビジネスに一から携わりシニアアシスタントとして約2年間様々な作品制作を任される。2014年1月より5年ぶりに日本帰国。日本へSpecialty Cakeの文化を届けるという留学の本来の目標を達成すべく、独立。ウエディングやイベントでのデザインケーキ、デザート製作と共に、雑誌やウィンドウディスプレイ様の展示や撮影を目的としたケーキも製作している。

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