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ブランドデザインにもこだわりを持つ極上のパスタ
パスタは粉と水だけで出来ている食材。だからたっぷりのお湯にしっかり塩を溶かして茹で、塩で粉の旨みを引き出してあげないと、ソースやオイルが絡んでくれません。そう、パスタ料理はソースやオイルをいかによく馴染ませるかが大切なポイントです。
私が主宰する料理サロン「ボアメーザ」で、7月から9月までご紹介していた「海苔ソースのフィジッリ」は、圧力鍋で茹でたフィジッリの食感に、だしで煮て柔らかくした焼き海苔にオリーブオイルと自慢の調理料を混ぜた絶品ソースが絶妙に絡んで、生徒さんたちに大好評でした。「帰って即作ったのですが、ボアメーザでいただいたときの感動はありませんでした。」というご感想が多く寄せられたのは残念だったのですが、それは原因がはっきりしています。パスタの違いなのです。
アネージは一般小売用としては知名度が高くなく、業務用での流通の方が大きいプロ好みのブランドですが、「小麦の卵」と言われる胚芽部分を残した、非常に品質の高いデュラムセモリナを使用することによって、香りよく食感よく、また、中温乾燥でアルデンテの持続がたいへん長い、という最高のパスタを生産しています。
デュラムセモリナそのものも、アミノ酸が非常に多く含まれる「クロノス種」が主体で、ブランドデザインの「帆船」は創業者パオロ・アネージ氏が、上質の小麦を探し求めて世界中を航海したという誇りを表しているそうです。
このパスタは1.5mmの「スパゲッティーニ」を使ったもの。昨年の7月から9月までのレッスンでご紹介したものですが、あっさりめの雲丹クリームソースで和えたスパゲッティーニの食感に、トマトの水分で作ったグラニテをからめて、これも大好評のメニューでしたが、「アネージ」の実力に拠るところが大きかったと思っています。
仕事柄、国内で入手できるパスタはもとより、イタリアのさまざまな地方でその土地のパスタを食べてきましたが、私の「ミス・パスタ グランプリ」は迷うことなく「アネージ」の頭上に!お気に入りの、ソースがしっかりからむフィジッリなどのショートパスタ、あっさりしたソースもきちんと吸ってくれるスパゲティーニなどのロングパスタ。
また使いやすい結束タイプがあるのも嬉しいところです。すべて販売元のS&B食品さん通販サイトで入手できます。
食事は食べることを楽しむ行為ですから、いくら料理の仕事をしているとはいえ、ひとさまに作っていただいたものを外でいただくときは、食材や味付けの善し悪しを吟味したり、それまでに食べたものと比較したりすることは極力避けたいと、いつも思っています。
しかめっ面の「プチグルメ評論家」とお食事しても楽しくありませんものね。
でも、自分で作るものとなると、もう最初から最後まで吟味・挑戦・洞察・反省の繰り返し。思いついて夜中に試作するようなこともしばしばありますが、いちどでドンピシャ思い描いていた味、ということはなかなかないものです。
「海苔ソースのフィジッリ」も「雲丹クリームソースのスパゲッティーニ」も、数少ないドンピシャ組。優秀な研究助手「アネージ」に心から感謝しています。
※掲載情報は 2015/10/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理教室『boa mesa』主宰
若林三弥子
料理教室『boa mesa(ボアメーザ)』主宰。
1958年 大阪生まれ。B型。
同志社大学法学部法律学科卒業後、商社に勤務。
結婚後、夫の転勤に併って中近東・南米各国で生活。
専業主婦として25年間、料理の腕と、おもてなしのセンスを磨く。
2005年、北鎌倉の自宅にて、料理教室『boa mesa』(ボアメーザ。ポルトガル語で”素敵な食卓”の意味)を始める。
“8人1クラス”のデモンストレーション形式で行われる人気の料理教室には、500人の生徒が通い、 さらに1000人以上がキャンセル待ちをしている。
おいしいものとワインが大好きな、その親しみやすいラテン系の人柄には多くの生徒がひきつけられている。
ほとんど毎日開催の自宅教室を独力で運営しながら、年二回のペースで 調理・スタイリング・エッセイの
三役をこなす本を出版、メディア・企業からのオファーも多数。
2012年4月~フジテレビ「ノンストップ!」 月曜日「サロネーザな食卓」レギュラーを務める。
2013年10月~小浜地域活性プロジェクトのアドバイザーに就任。