記事詳細
紹介している商品
鰹節は料理の基礎といっても過言ではない。
私の家では、ずっと、この鹿児島県指宿市の坂井商店の「指宿山川産一本釣鰹本枯節 こころ節」を使わせていただいています。仕事で訪問した際に、坂井商店さんで働く皆さんの笑顔が素敵で、一生懸命作られているのが印象的でした。最初は、いただいて家に持って帰ったのですが、家の鰹節削り器で削った際に、「しゃっ」と一発目にすった瞬間に、きれいにかんなに吸い込まれていき、すった時の色味が、まさに「真っ赤な濃い夕焼け色」。見た時に、「これは品がいいね。」と思いました。
我が家は、代々、ずっとお雑煮から何まで料理には、鰹節を使います。なので年末には、「鰹節削り日」という日がありまして、前座さんが「しゃっしゃ、しゃっしゃ」と鰹節を削るんですね。ここ18年位は、ここの鰹節でとった出汁でお雑煮を作っています。
このだしは関東のお雑煮に合うんですね。坂井商店さんの大将が命をかけて作っているので、だしも「命のだし」になってるんです。口に運んだ時に、旨みがしっかりあり、上品さもあるんだけど、濃厚さもある。お雑煮のもちと、だしの濃厚さが実に合う。全国には、いろいろな鰹節がありますが、こういった理由で、私は直接こちらで買っています。
「芋の煮っころがし」や「お好み焼」「もんじゃ」なんかに鰹節をかけると、踊り具合が半端じゃないんです。かくかく動かずに、しなるような感じで、踊り方がフラダンスのよう。また、血抜きをしているせいもあるかもしれませんが、渋みがそれほど出ない。だしには、香りがそのまま持続するんです。酸化していかないんですね。
我が家は、常に来客がありますので、その方々に美味しい料理を召しあがっていただくために、持続性がある、いつでも美味しいだしを用意できるようにしています。例えば、お雑煮は、こちらの鰹節でとった「命のだし」と、鶏のささみ、どんこしいたけを入れてだしを作ります。そして、焼き餅を入れ、なると、ほうれん草、ゆずをちょっと切って浮かばせて作ります。このお雑煮が格別です。餅にしっかりとだしがからむ。餅とだしが友情の握手をすると言いましょうか。最高の組合せですね。
「おみおつけ」にしても、だしが命です。「江戸っ子」は昔から、「ひとつ種」と言って、薬味は別ですが、具はひとつなんですね。特に、もやしのおみおつけは好きでしたね。もやし自身には、味がないので、鰹のだしがしっかりしていないといけないんです。鰹節は料理の基礎といえます。
職人の目をしっかりもった坂井家は、代々引き継いで、本物の味を作り続けています。鰹節は、暑くて蒸されて過酷な労働下で丹精込めて手作りで作られています。私が鹿児島の枕崎にある製造現場に行った際も、38℃あり、親父さんは、「暑くて俺が本節になっちゃうよ。」って言っていた位、大変そうでした。その成果は、全国鰹節類品評会最高賞「農林水産大臣賞」や「水産庁長官賞」の連続受賞(※)につながっています。
ぜひ、1本買っていただいて、鰹節機ですっていただき、粗く削って豆腐の上にかけてもいいですね。無い方は、手軽に利用できるパック詰めもおすすめ。鰹節が苦手な方でも、素直でクセがないので、ぜひお試しください。
料理はだしが決め手ですから。かつおを本当にいぶす気(指宿)で使ってみてください。
※受賞暦:社団法人日本鰹節協会全国鰹節類品評会最高賞 農林水産大臣賞(平成24年(焼津)、平成20年(山川))、水産庁長官賞(平成15年(枕崎)、平成5年(東京)、平成2年(山川))
※掲載情報は 2015/09/17 時点のものとなります。
- 4
キュレーター情報
落語家
林家三平
●本名:海老名 泰助
●生年月日:昭和45年12月11日
●出身:東京都台東区根岸
●「昭和の爆笑王」初代林家三平の次男、祖父は七代目林家正蔵。
●中央大学国際経済学科入学後、平成2年に林家いっ平として落語家の修業に入る。
●現「ねぎし三平堂」堂長
●徳島県美馬市観光大使
【経歴】
●平成5年 二ッ目昇進
●平成11年 シンガポールにて江戸落語「禁酒番屋」を史上初めて英語で公演
●平成14年9月下席より真打昇進
●《第19回》平成14年度浅草芸能大賞「新人賞」受賞
●平成17年7月16日「大銀座落語祭2005」ヤマハホールにて中国語落語「時そば」
●平成18年7月15日「大銀座落語祭2006」ヤマハホールにて中国語落語「動物園」中国語版を発表
●平成18年10月 中国 青島にて中国語落語を公演
●平成19年4月 中国 上海、福建省アモイにて中国語落語を公演
●平成21年3月下席より 二代 林家三平 襲名
●平成22年11月20日 中国上海「蘭心大劇院」にて二代林家三平襲名披露公演を行う
●イケメンらくご家グランプリ 1位受賞『らくご☆まがじん』(35歳から49歳の部)