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旬の「秋刀魚」には、根室の地酒『北の勝』
秋刀魚が旬を迎える。
秋にとれる刀のような形をした魚で「秋刀魚」。この当て字は大正時代以降に広がったものだとか。ちなみに明治時代の文豪かの夏目漱石は『吾輩は猫である』のなかで「三馬」と書いている。また古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚〉」「サンマ(青串魚)」などと書かれていたとか。「サ」は細いの意味、「マ」は魚の意味にあたる。うう~ん、やっぱり「秋刀魚」がいいな。この「秋刀魚」という文字を見ただけで、秋が来たーと実感できるし、ぐぐっと食欲がわいてくる。
ところで秋刀魚の漁獲量の多い都道府県は、さてどこでしょう?
答えは、1位北海道、2位宮城、3位岩手。(※)
とくに北海道は断トツだ。北海道だけで半分以上を水揚げする。北海道のなかでもこれまた断トツなのが根室市花咲港。秋刀魚以外にも鮭、鱒、鱈、活ウニ、活カニなどの漁獲量も多い港だ。食いしん坊にはたまらない港でもあるね。花咲港に続く、釧路港、厚岸港、浜中港の4つが「道東サンマ4港」といわれている。またこの4港、それぞれにブランドさんまを売り出しているのだ。
根室は<一本立ち歯舞さんま>(立ててもぐにゃりと曲がらない新鮮さでお刺身もイケル)。
釧路は<青刀>(青く光り輝くさまはまさに“青い刀”。鮮度抜群)。
厚岸は<大黒さんま>(船上で箱詰めまでこなす特大秋刀魚)。
浜中は<朝霧さんま>(船上で箱詰めする特大秋刀魚)と<日帰りさんま>(小型船の帰港直後に箱詰する)。
どうです、食べたくなるでしょう?
さてお酒。
ここはやっぱり漁獲高ナンバー1の根室の地酒をお勧めしたい。銘柄は『北の勝』。
いいね。なにかこうぐっとやる気が出てくる名前じゃないか。蟹漁などで成功をおさめた碓氷勝三郎商店が明治20年に創業した北海道の老舗酒蔵だ。地元で愛される「本醸造」はすっきりと軽快。10月に入ると「純米酒」が発売される。脂ののった身と苦みのあるワタ、焼けた香ばしさがたまらない秋刀魚の塩焼には、同じ産地(といっていいか)の地酒を合わせたい。
飲み方はお燗。熱々の秋刀魚にやさしい味わいのお燗酒だ。朝晩少しずつ寒くなるこの季節には、この組み合わせが体にやさしい。お燗ゆえに秋刀魚の脂をきれいに洗い流してくれ、もう一口、もう一口と後を引く。
今年最初の秋刀魚にはこれです。お試しあれ。
(※)データ参照元http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/pdf/gyogyou_seisan_14s_150807.pdf
※掲載情報は 2015/09/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
トータル飲料コンサルタント/ソムリエ
友田晶子
米どころ酒どころ福井県に生まれ。ソムリエとして酒類業界に携わり、ワイン・日本酒・焼酎・ビール・カクテルと幅広く取り扱う。業界25年のキャリアと女性らしい感性を活かし、一般向け・プロセミナー、飲食関連イベントの企画・開催、PR事業アドバイス、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル旅館などプロ向けコンサルティング、観光PR支援等を行っている。各種専門家がガイドを務める人気のインターネット検索サイトAll Abouの日本酒・焼酎・ワインガイド。「わかりやすい説明」には定評がある。公式HP内で連載中の「おいしいラク学講座」では、日本酒や焼酎、ワインやビールやスイーツ、チーズにまつわる役立つコラムとおつまみレシピなどを常時更新中。田崎真也氏オーナー、ワインバー「アルファ」(銀座)代表。「シュヴァリエ・ド・タスト・フロマージュ」(フランスチーズ鑑定騎士団)。 日本料飲ビジネス研究会会長/東京芸術学舎 非常勤講師/ふくい食のアンバサダー・福井ブランド大使/球磨焼酎大使/著書「世界に誇る国酒~日本酒~」が、グルマン世界料理本大賞グランプリ受賞!/日本ロシアフォーラム2014「食と農」パネリスト