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香ばしさも鮮やかな見た目も食欲をそそる一品
調理している最中から「ガーリックの香りが美味しそう、早く食べたい〜!」とドキドキしました。「枝豆とトウモロコシのペペロン」は、サッと作れてビールにとてもよく合う「酒菜 おによめ」(以下、おによめ)のオリジナルレシピです。店主の本間淳恵さんが、パーティーで振る舞うお料理の前菜としてよく作っていたそう。青々とした枝豆にトウモロコシのイエローが映える、見た目も華やかな一品です。
こちらを手づかみでいただくわけですが、ガーリックとブラックペッパーの香り高さに枝豆の風味、バランスがとれた塩味に、手が止まらなくなってしまいます。トウモロコシに手を伸ばせばトウモロコシの甘味と柔らかな風味が加わり、ガーリックの香りを再認識することでさらなる幸福感が。その体験をもっとしたいとお皿に手が伸びて黙々とループする……という、ちょっと危険な一品でもあります。
柑橘系の香り華やかな「よなよなエール」とご一緒に
「枝豆にビール」は、いわゆる“定番”とされています。スッキリ飲めるラガー(ピルスナー)と共に楽しんでいる方も多いでしょう。今回ご提案したいのは、ふくよかな味わいを持つエールビール「よなよなエール」との組み合わせです。
よなよなエールは、長野県佐久市にあるヤッホーブルーイングで1997年7月7日に誕生しました。豊かな香りとコクが特徴のエールビールは当時あまり知られておらず、ましてや国産のエールビールは見かける機会がほとんどありませんでした。よなよなエールは、私たちにエールの魅力を知らしめてくれた先駆者。スーパーやコンビニで見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
よなよなエールのビアスタイルは、米国のエール酵母とホップを使った「アメリカン・ペールエール」。琥珀色の液体をグラスに注ぐと細かく豊かな泡が盛り上がり、甘い柑橘系の香りがふわっと漂ってきます。口に含めばとろっとした甘味と麦芽の風味を感じることができ、適度な苦味が柑橘系の香りと共に喉元を通り過ぎていくのをゆっくり楽しめるビールです
ペアリングが引き立てる香りと隠れた味わい
よなよなエールを選んだのは、「夕涼みがてら、屋外でゆっくり味わってほしい」という気持ちもあります。のどの渇きを癒すために飲むビールももちろん美味しいのですが、香りも風味も個性のあるおつまみをより引き立てるビールを選びたいと考えました。また、今の季節外で飲めばビールの温度がすぐに上がってしまいます。よなよなエールをはじめとするエールビールは、温度が上がれば香りにも味わいにも変化が訪れるため、時間をかけてさまざまな表情を楽しむのに向いているのです。
さて、枝豆とトウモロコシのペペロンと、よなよなエールの組み合わせ。焦がしたニンニクをはじめとする個性が強めの食事にも負けない、エールの香りとしっかりしたボディとの相性は抜群でした。口の中では黒コショウの香りがより引き立ちます(なので、できれば仕上げに粒の黒コショウを挽いて使うことをお勧めします)。
枝豆と合わせればビールの甘味が、トウモロコシと合わせればビールの中に隠れていた酸味が現れるという、一品で多くの楽しみ方ができるペアリング。ぜひ、仲間と一緒にワイワイ楽しんでみてください。
<レシピ>
■枝豆とトウモロコシのペペロン
*材料 <2人前>
枝豆 160g
トウモロコシ 3/4本
ニンニク ひとかけ
鷹の爪 1本弱
塩、コショウ 適量
オリーブオイル 適量
1.枝豆、トウモロコシをそれぞれゆでる。
2.トウモロコシは2cmくらいの輪切りにし、更に半月になるよう半分に切っておく。
3.フライパンにオリーブオイル、鷹の爪、ニンニクを火にかけ、香りが立ったら枝豆を入れて炒める。
4.枝豆にオリーブオイルが絡まったらトウモロコシも入れて炒める。
5.塩とこしょうを振って出来上がり。
■“おによめ”よりひと言
ニンニク・鷹の爪・黒コショウはお好みで調整してください。できたてより少し味をなじませてからの方が美味しく召し上がれます。もちろん冷やしてもイケますよ。
■ヤッホーブルーイング よなよなエール
内容量:350ml
アルコール分:約5.5%
■酒菜 おによめ
住所:東京都新宿区高田馬場1-23-14-1F
TEL:03-6228-0246
営業時間:火〜金 18:00〜23:30
休日:土日月
https://www.facebook.com/syusaioniyome
※掲載情報は 2015/07/29 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ビアジャーナリスト
野田幾子
ビアジャーナリスト/ビアアンバサダー
ビアコーディネーター
日本ビアジャーナリスト協会副会長
1994年にベルギービール、1996年に国産地ビールの美味しさに目ざめ、周りにクラフトビールの普及活動を開始。2007年にビアバー・ビアパブムック『極上のビールを飲もう!』(エンターブレイン刊)の全体構成、執筆、編集を担う。その後ほぼ毎年シリーズを刊行、2014年4月、6冊目「ビールのある日常をより楽しく」を提案するムック『ビアびより』(KADOKAWA・エンターブレイン刊)刊行、編集長。現在、ビール専門誌『ビール王国』に寄稿、編集担当。
クラフトビール入門者向けの講座を開催。
ビールと料理の組み合わせのスペシャリストであるビアコーディネーター(クラフトビアアソシエーション認定)。
2000年よりライター/エディターとして独立。株式会社コラボトリエ代表。
2010年、日本ビアジャーナリスト協会(JBJA)設立。同副会長。