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辛いのになぜか手が止まらない青唐辛子入りフライドチキン
目の前に出された瞬間から、妙に気になる緑のぽちぽち。なんぞやとよく見てみると、フライドチキンの表面に浮かんでいたのは、小さく刻まれた青唐辛子です。むむむ、これはいかにも辛そう。本能的な心のざわつきをなんとか抑え、手に持ってガブリ。サックリとした衣の中から、むっちりと柔らかな身があらわになり、次いであふれんばかりの肉汁がピュッ。おお、これは嬉しい不意打ちですね。思わず笑みがこぼれる中、もうひと噛みすると、おおお、きましたよ。「ん、辛いかな?」と思ったときにはもう遅い。ヒリヒリとした辛さが口中に広がり……。ビール、ビール、ビール! ええ、そのビールがまたたいへん美味しいのです。
ひと息ついてみると、辛さにあえいだはずの青唐辛子チキンがまた無性に食べたくなって。ふたたびチキン、そしてまたビール。チキン。ビールの永久運動。このやたらとビールに合う青唐辛子チキンは、コリアンタウンとして知られる東京の新大久保にあります。韓国では「チ」キンとビール(韓国語で「メク」チュ)の組み合わせを「チメク」と呼んで、ともにこよなく愛するという文化があるんですね。
この青唐辛子チキンを自慢とするのは「カンホドン678チキン」。韓国の有名コメディアンであるカンホドンさんがオーナー(とスーパーマン風のコミカルなメインキャラクター)を務める店で、2014年9月に日本進出1号店として新大久保に誕生しました。
味の決め手となる衣やスパイスは韓国から直送したものですが、ジューシーな鶏肉は岩手県産の「みちのく清流若どり」を使用。日韓の合わせ技で、美味しいチキンを仕上げているということです。オープン以来、店内はチメク愛好家でいつも大盛況ですが、自宅用、パーティ用としてテイクアウトをしていく人も多いとか。青唐辛子チキン以外にも、甘辛いソースを絡めた味付けチキン、ハチミツソースチキン、醤油味付けチキンなど、テイストも豊富に揃っています。
※掲載情報は 2015/07/26 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コリアン・フード・コラムニスト
八田靖史
コリアン・フード・コラムニスト。慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。最近はトークイベントや講演のほか、企業向けのアドバイザー、韓国グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『新大久保コリアンタウンガイド』(晩聲社)、『かんたん、ヘルシー韓国おつまみ』(大空出版)ほか、語学テキストも多数。2014年7月には韓国の地方グルメを紹介する『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)を発売し、ソウルだけに留まらない韓国地方旅行の可能性を大きく切り開いた。韓国料理が生活の一部になった人のためのウェブサイト「韓食生活(http://kansyoku-life.com/)」を運営。