江戸の甘辛の濃ゆい味が恋しくて 弁松総本店の「お弁当」

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江戸っぽい味が食べたくなったら弁松のお弁当

江戸の甘辛の濃ゆい味が恋しくて 弁松総本店の「お弁当」

「江戸の味を伝える」第二弾は1850年創業の日本橋弁松総本店を代表するお弁当「並六」です。

 

弁松のルーツは盛りの良さが評判の料理屋でした。残った料理を経木や竹皮に包んで持って帰ってもらうサービスが好評で、1850年に弁当専門店として業態変更し、世界初の弁当専門店が生まれたわけです。

 

初めて弁松のお弁当を食べた方は、味の濃さに驚くかもしれません。事実、毎年数件の「調味料の配分をまちがえているのではないか」というお問い合わせがくるようです。

 

江戸の甘辛の濃ゆい味が恋しくて 弁松総本店の「お弁当」

さて、紙袋からお弁当を取り出します。お弁当箱に使われている経木へのこだわりも色々書きたいところですが、ここは割愛。とりあえず包装紙から経木が顔を出すと経木の良い香りがします。

江戸の甘辛の濃ゆい味が恋しくて 弁松総本店の「お弁当」

さてお弁当を開けいよいよ実食です。確かに砂糖と醤油をふんだんに使った「甘辛の濃ゆい味」です。かなり濃いです。つまり人によっては好き嫌い別れる味だとは思いますが、私は大好きです。いわゆる「ごはんがススム君」です。

 

内容です。煮物は里芋、筍、蓮根、ごぼう、椎茸、つとぶ。それに白いんげん豆のきんとん、玉子焼き、めかじき照焼、カマボコ、生姜と昆布の辛煮です。

 

煮物はとんでもなく甘辛のタレが芯まで染み込んでおり、江戸の味LOVERSには一番たまらない味です。特につとぶは原料自体の味があまりないため、弁松秘伝のタレの味を一番実感できるものです。8代目樋口社長の一番のお気に入りも、つとぶということでした。

 

この中で私の一番のおススメは「めかじき照焼」です。この具材はそこまで甘辛くもないのです。普通にとてつもなく脂が乗ったおいしい魚という印象です。お弁当に入っている量が少ないので大事に食べるべきです。お腹いっぱい食べてみたい味です。

 

そして甘辛い具材の中キラリと光る存在感を示すのが「生姜と昆布の辛煮」です。びっくりするくらいおいしいのです。甘辛いものばかり食べて口がおかしくなったら、この生姜をパクリです。ビリリと痺れるうまさです。こちらは「日本酒がススム君」です。

 

甘辛い煮物に、おいしすぎるめかじき。そしてアクセントの利いた生姜。お弁当全体としてとても完成度が高いお弁当だと思っております。毎日食べたら「糖尿病がススム君」ではありますが、やはりハレの日にはおススメです。

※掲載情報は 2015/07/23 時点のものとなります。

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キュレーター情報

山本貴大

山本海苔店 専務取締役 営業本部長

山本貴大

1983年生まれ。2005年慶應義塾大学法学部卒業後、東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社、法人営業などを経験。2008年山本海苔店入社、仕入部で海苔全般の勉強を行い、その後山本海苔店100%子会社丸梅商貿(上海)に勤務。丸梅商貿勤務中に、おむすび屋「Omusubi Maruume」を立ち上げる。その後シンガポール髙島屋、台北三越店の立ち上げなどに関わる。現在は専務取締役営業本部長として山本海苔店の営業全般を担当しながら、「おいしい海苔」の普及活動に努めている。

山本海苔店は1849年に日本橋で創業。2代目は世界で初めて味附海苔を発明、3代目は海苔を形を現在の19cm×21cmに統一するなど海苔業界のパイオニア的存在。現在は海苔を「何かを巻くもの、包むもの、かけるもの」と言った副食から抜け出させるべく、「おつまみ海苔」などに代表される「海苔菓子」の販売に力を入れている。

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