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アイディア次第で無限大に広がる使い勝手が良い調味料
北鎌倉の自宅で料理サロン「ボアメーザ」をスタートさせたのが10年前。50歳を目前にして一念発起して取り組んだ、料理とおもてなしの仕事は、平凡な主婦だった私が見たこともないさまざまな景色を眼前に広げてくれました。食による地域活性化のお手伝いで、福井県小浜市の皆さんと活動させていただいたことも忘れられない「絶景」のひとつです。小浜の名産、「獅子ゆず」・「唐辛子」・「お米」、これらがひとつになり生まれたどこにもない調味料「柑なんば」。うちでは「かんなんばちゃん」と呼んで、食卓を彩る主役級のお料理を輝かせる「名助演女優」扱いをしています。
ほんの少し加えるだけで、いつものお味噌汁が、煮物が、鍋が、麺類が、格段に美味しくなるばかりではなく、洋風、中華風、エスニック、どんなジャンルのお料理にも「なにかひと味足りない」と感じたときのレスキュー調味料なのです。うちの食卓に頻繁に登場するのは「柑なんばマヨネーズ」。これを混ぜ込んで作るスクランブルエッグは、堂々とお夕食にも出せるひと品になり、ワインや日本酒のお伴にもなります。お醤油と合わせて納豆に混ぜてもよし、ネギと一緒に冷や奴に乗せてもよし、サワークリームと混ぜて、ハムやしっとり火をいれた鶏ささみを和えたり、使い方は無限です。
どんな食材や調味料も、愛着を持って使い続けるには、それらとの出会いにストーリーがあって、それを反芻しながら使えることがたいせつなのではないでしょうか? 初めて訪れたとき、「せんせ、これ使ってみてください。」とくださった小浜のかたたちの、ふるさとを愛する情熱や、まったく縁もゆかりもない人間がアドバイザーとして現れても温かく受け入れてくださるおおらかさ、それらがこの小さな瓶にも詰まっているような気がするのです。
料理はひとを幸せにすることができる最もシンプルな方法です。まわりのひとの幸せのために、この手を動かし、心を込め、頭も回転させて取り組む、素晴らしい行為。料理を仕事に出来て本当に幸せだと心から思います。
「柑なんば」はうちの食卓だけではなく、ほぼ毎日8名の生徒さまをお招きする「ボアメーザ」のお献立にも頻繁に取り入れています。
ボアメーザ2014年「春から初夏へのエスニックメニュー」では、「にんじんとひき肉のエスニックサラダ」の味の重要な要素となりました。ベトナム料理は辛味と甘味と酸味のバランスがとても大切なのですが、「柑なんば」はこれに旨みも加わえたうえに上手にまとめてくれる頼もしい存在です。「バケツで食べたい」と言ってくださる生徒さまが現れ、嬉しかったものです。
ボアメーザ2015年「春を待つ創作和食メニュー」では、前菜で最も人気の高かった「しらすとセロリホワイトと赤玉ねぎのサラダ」のドレッシングに「柑なんば」を使用しました。
ゆずの果汁とエクストラヴァージンオリーブオイルと柑なんばのみ。
「柑なんば」ひとさじでいくつもの「味の構成員」を投入したような効果が得られます。
また、ボアメーザ2015年春から初夏へのシノワメニューでは、前菜のひと品「春キャベツと豆苗の中華風甘酢漬け」に使用しました。ぴりっと辛味を入れるのが中華風の甘酢漬け。「柑なんば」を使えば、鷹の爪の種を抜いて刻む作業に煩わされることなく、しかも辛味だけではなく、絶妙な酸味と旨みもプラスできるのです。
※掲載情報は 2015/07/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
料理教室『boa mesa』主宰
若林三弥子
料理教室『boa mesa(ボアメーザ)』主宰。
1958年 大阪生まれ。B型。
同志社大学法学部法律学科卒業後、商社に勤務。
結婚後、夫の転勤に併って中近東・南米各国で生活。
専業主婦として25年間、料理の腕と、おもてなしのセンスを磨く。
2005年、北鎌倉の自宅にて、料理教室『boa mesa』(ボアメーザ。ポルトガル語で”素敵な食卓”の意味)を始める。
“8人1クラス”のデモンストレーション形式で行われる人気の料理教室には、500人の生徒が通い、 さらに1000人以上がキャンセル待ちをしている。
おいしいものとワインが大好きな、その親しみやすいラテン系の人柄には多くの生徒がひきつけられている。
ほとんど毎日開催の自宅教室を独力で運営しながら、年二回のペースで 調理・スタイリング・エッセイの
三役をこなす本を出版、メディア・企業からのオファーも多数。
2012年4月~フジテレビ「ノンストップ!」 月曜日「サロネーザな食卓」レギュラーを務める。
2013年10月~小浜地域活性プロジェクトのアドバイザーに就任。