地元割烹料亭「松屋」が丁寧に漬け込んだ泉州産水茄子の糠漬け

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地元の料亭ならではのこだわりで選んだ特上の水茄子

茄子が美味しい季節になってきました。スーパーに行けば1年中手に入る茄子ですが、旬は夏。まさにこれからが本番で、茄子好きの私には嬉しい季節です。インド原産の茄子は、日本ではなんと奈良時代から食されていたとか。以来延々と日本全国で栽培されている、馴染み深いお野菜ですね。茄子には無数の品種があり、形も長なす、卵形、丸形、巾着型などさまざま。有名な京都の賀茂茄子をはじめ、山形県庄内地方の民田茄子や、宮崎の佐土原茄子など、いろいろな地方に在来種が多いのも特徴です。地方に行った時には、その土地独特の方法で料理した在来種の茄子をいただくのも楽しみのひとつ。茄子とひとくちには言えないほど、バラエティに富んだ味や食感が味わえますよ。

 

そんな茄子好きの私が、この時期必ず食べるのが、水茄子。水茄子は、大阪南部・泉州地方の伝統野菜です。名前の通り水分が非常に多く皮が薄くて柔らかい茄子で、アクがないので生でも食べられるのが特徴です。切れ目を入れたら手で裂いて芥子醤油(からししょうゆ)で食べるのがおすすめ。岩塩とオリーブオイルでカルパッチョ風も合います。サクっとした食感とフルーツのようにジューシーで甘みのある味わいに、もう食べ始めたら止まりません。

地元割烹料亭「松屋」が丁寧に漬け込んだ泉州産水茄子の糠漬け

水茄子の代表的な生産地は貝塚市や泉佐野市。貝塚市で栽培されている澤茄子が、水茄子の原種のひとつだといわれています。鮮度がすぐに落ちてしまうため、少し前までは、地元でのみ消費されて、東京などでは滅多にお目にかかれませんでした。現在は他の土地でも作られて、飲食店でも普通に見かけるようになりましたが、やはり発祥の地の水茄子はひと味違うように思います。

 

その泉州産の水茄子を、料亭が丁寧に作った糠床で漬けたものが、泉佐野市にある「割烹松屋」の『水茄子割烹漬け』。栽培契約農家がその日の朝に収穫した新鮮な特上水茄子だけを使用。天然塩で丁寧に塩もみし、美味しく熟成した糠床で漬け込みます。注文を受けたら糠漬けして発送。到着した日は浅漬けでみずみずしく、生食っぽい感じでいただけます。日が経つにつれ漬かりが深くなりますが、その味の変化もまた楽しみのひとつです。

 

この『水茄子割烹漬け』は、6個セットからあり、全部が糠漬けのものと、糠漬け半分、生水茄子半分のセットがあります。私がいつも注文するのは、半分半分のセット。まずは、生の水茄子を芥子醤油や山葵醤油、オリーブオイルなど好みの味付けでいただきます。次に浅漬けの水茄子を堪能します。糠漬けはたっぷりの糠床と一緒に来るので、食べ終わったらそれをタッパーなどに移して冷蔵保存すれば、瞬時にして料亭の糠床が我が家に。いつでも美味しい糠漬けが食べられるという一石二鳥のお取り寄せでもあります。

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割烹松屋

※掲載情報は 2015/06/25 時点のものとなります。

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キュレーター情報

斎藤理子

フードジャーナリスト

斎藤理子

雑誌編集者を経てロンドンに6年半、ワシントンD.Cに5年半在住。その間、世界各国を食べ歩く。現在は国内外の生産者からシェフまで幅広く取材し、雑誌を中心に執筆。著書に「イギリスを食べつくす」(主婦の友社)、「隣人たちのブリティッシュスタイル」(NHK出版)など。編著に『アル・ケッチァーノ』奥田政行シェフの連載をまとめた「田舎のリストランテ頑張る」(マガジンハウス)、「コッツゥオルズ」(ダイヤモンド社)。2011年英国政府観光庁メディアアワード受賞。

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