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春を祝い、夏へ向かっていく季節を謳歌する
「ヴァルプルギスの夜」という言葉をご存知ですか?これは、スウェーデンやフィンランド、ドイツでは広く知られた言葉で、4月30日の夜を指す言葉です。古来ケルト人は、1年を大きく2つの季節に分けていました。11月1日からを寒気が訪れる日、5月1日からを暖気が訪れる日としていて、5月1日の前日の夜を「ヴァルプルギスの夜」と言って、春の本格的な到来を大々的に祝う日で、。スウェーデンではValborgsmässoafton(ヴァルボリスメッソアフトン)と呼ばれています。
昔は、魔女の話や、伝説の話などもありましたが、今では、純粋に本格的な春の到来を国全土で祝うお祭りとなっていて、スウェーデンでは、クリスマス(ヨール)、夏至祭に次いで非常に重要な日になっています。
このお祭りで重要なのは2つで、一つは盛大な「焚き火」。数ヶ月前から薪を集めて当日に向けて用意が進みます。開催される場所は地域によって様々です、川の近くだったり、見晴らしの良い丘だったりもします。
そしてもう一つ大事なのは「歌」。これは総じて春を祝う歌が歌われるのですが、19世紀から始まったといわれています。特に男性が中心となって歌うことが多く、この焚き火と歌を見て、聴いて、人々は本格的な春の到来を肌に感じることになります。
学生が主体となり、歌い、そして飲む
全国的にこの「ヴァルプルギスの夜」は催され、各地で大きな焚き火を目にすることができますが、この日に特別に食べたり、飲んだりするものがあるわけではありません。ただ、(スウェーデン中部の都市の)古都ウプサラでは、伝統的に街を上げての大きな祭りになります。ここには伝統的な大学があり、特に学生を中心として盛大なお祭りの雰囲気の中、屋台も出て、多くの人が、ビールやシャンパンを味わいながら、このお祭りを見守ります。ウプサラは4月30日の早い時間帯から、にぎやかとなり、町中で歌が歌われ、多くの乾杯が交わされます。
スウェーデンのビール事情
少しビールの話にもなりましたので、せっかくですからスウェーデンのビール事情も簡単に紹介しましょう。
スウェーデンのビールは日本同様、大小様々な製造会社が作っています。アルコール度数2.5%未満のものは、ライトビールとされており、ランチビールとしても愛飲家が多く、ランチ時は多くの方が飲んでいるシーンを容易に見ることができます。次のランクが2.5%以上3.5%未満のもので、こちらはスーパーマーケットでも販売がされているものです。それ以上の度数の物は国営のSystembolaget(システムボラーゲット)というお店のみで販売されるものです。ここは、ノンアルコールから、度数の高いビールまで品揃えは豊富です。
男性はビールを好むというのも、日本と同じかもしれません。男性同士の集まりなどではよくビールを傾けているシーンを多く目にします。もちろん女性でもビールファンはいて、こちらも日本でも同様ですが、クラフトビールの人気も上がっていて、女性向けのビールブログも立ち上がったりもしています。
スウェーデンでは、土曜日は15時までしか、ビールは購入できませんし、日曜日はまったく販売されません。また、公園や歩きながらの飲酒は一部の地域を除いて禁止されているので、飲む際は注意が必要です。とはいっても、気軽に飲めるのはビールの特徴の一つ、春から夏にかけての最高の季節を迎えるスウェーデンを思い浮かべながら、スウェーデンビールをぐびっと飲んで休日を過ごすのはちょっとした贅沢を皆さんも味わってみませんか?
スウェーデンのビールの多くはまだ日本で購入できませんが、三軒茶屋の「Pigalle Tokyo」というお店で体験が可能。店内で飲むことも可能ですし、ビールをテイクアウトすることも可能なユニークなお店です。ただ、スウェーデンビールの入荷は多くはないので、お店に購入しに行くときは、是非お問い合わせしてからお出かけください。
※掲載情報は 2015/04/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スウェーデン大使館
福祉の先進国スウェーデン。男女平等の国スウェーデン。それだけではなく観光としても有名です。スウェーデン北部に広がる大自然、世界一美しい首都ストックホルム、有名なガラスの王国など、スウェーデンには見所がいっぱいあります。食文化も非常に豊かで、洗練された乳製品はもちろん、牛肉、豚肉、魚介類の消費も多く、ジャガイモが付け合わせとして茹でて供されることが多いです。また、スウェーデン料理には膨大な種類のパンがあります。形や大きさ、ライムギ、エンバク、オオムギ、白パン生地、黒パン生地、サワードウ、全粒粉といった材料で非常に多くのパンが愛されています。多くの肉料理、特にミートボールが、リンゴンベリー・ジャムを添えて食べられており、代表的な伝統料理となっております。スウェーデン料理の菓子は、伝統的に酵母ロールパン、クッキー、ビスケット、ケーキの様々な種類があります。フィーカ(Fika、お茶の習慣)もスウェーデンで欠かせない食文化です。食文化という側面で、皆様にスウェーデンの魅力を感じ取っていただければ何よりも幸せです。