クラシックホテルの格式とレトルトカレーの親和性!?

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日本を代表するクラシックホテルの味が楽しめるレトルトカレー

クラシックホテルの格式とレトルトカレーの親和性!?

クラシックホテルは熟成されたビンテージワインのようだ。長い時間の積み重ねがその魅力を不動のものとする。それは、「スピーディー」、「お手軽」といった、忙しい日常とは隔離されたサンクチュアリである。ホテル評論家として、数々のホテルへ出向くことは多いが、クラシックホテルを訪れたときの背筋がピンっと伸びるあの感覚は特別だ。

1927年開業、日本を代表するクラシックホテル「ホテルニューグランド」。世界の歴史と共に歩み続けてきた伝統と格式は今も横浜山下公園前に息づく。特に、本館の重厚感は圧倒的。そんな本館1Fにあるのが「ザ・カフェ」。こちらで、なんと「レトルトカレー」を発見。

ホテルニューグランドのカレーといえば、初代料理長であるサリー・ワイル氏が、まだ日本では馴染みのなかったカレーをメニューとしたことにはじまる。日本におけるカレー文化のルーツともいえよう。ゆえに、「レトルト」には相当な違和感がある。パック・密封という行為が、まるで歴史に蓋をするような気がしてならない。

クラシックホテルの格式とレトルトカレーの親和性!?

チキンとビーフの二種類を持ち帰り、悩みに悩んでビーフをチョイス。早速、グツグツ温め開封しオン・ザ・ライス。ゴロゴロ牛肉のビジュアルが食欲をそそる。あっ! 香り高いゾ。市販されているレトルトカレーに慣れた身としては、あの鼻につくスパイシーさを想像していただけに意外。

口に含むと見事なまでのまろやかさ。フルーティーな味わいの後にくるコクと、少しの辛さが心地よい。食べ終わる頃には、口内の辛さセンサーが敏感になっていることに気付く。開封された瞬間が最高の食べ頃、と計算し尽くされているかのようだ。聞くところによると、試行錯誤の上に生み出された逸品だという。密封されたホテルの歴史が、レトルトカレーでリスタートするような新鮮な気分になった。

クラシックホテルの格式とレトルトカレーの親和性!?

確かに、クラシックホテルの格式とレトルトは相容れない。しかし、クラシカルとは進取的な取り組みの歴史でもあるのだ。

※掲載情報は 2015/04/30 時点のものとなります。

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キュレーター情報

瀧澤信秋

ホテル評論家 旅行作家

瀧澤信秋

ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。

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