【4月28日はドイツワインの日】 「美しき野生」に乾杯

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ドイツ・ラインガウ。父娘の爽やかな情熱を楽しむワイン

4月28日はドイツワインの日。昭和の日本人とドイツワインとの接点。そのひとつがオフドライワイン。いわゆる中辛口、フルーティーで甘やかな白ワインでした。確かにドイツは、オフドライやスイートタイプのワインの宝庫。素晴らしいワインがたくさんあります。一方で、凛とした、ミネラルや清涼感がたっぷりのドライタイプも、実はドイツらしさ。

特にリースリングというぶどう品種から作られる気品あふれる白ワインは、ドイツの宝のひとつ。恵まれた土壌、卓越した造り手。彼らが生み出す、ドライリースリングを知らずして、「ドイツワインは甘口ばかり」という印象だけを持つのはもったいない!たとえば、ライン川沿いラインガウという伝統の名醸造地。ここからゲオルグ・ブロイヤーが送り出す「ソヴァージュ」はドイツワインの伝統と最新のアドレスを知り、ドライリースリングの楽しさを知るきっかになる1本でしょう。

【4月28日はドイツワインの日】 「美しき野生」に乾杯

ワインメイカーはテレーザ・ブロイヤーさん。2004年、リースリング復権の立役者と称えられ、ビッグネームだった父上が急逝。醸造所を引き継いたときは、まだ、20代の若さ。当時は醸造所をきりもりしながら醸造学校に通っていたというエピソードも。おいしいリースリングに必要な太陽と風の力を得るために、畑は、ところによっては60度を越える急斜面。超のつく重労働の中で、ラインガウの伝統、偉大な父の意志を継ぎながら、自分の個性を打ち出すのは苦難の歩みだったことでしょう。

【4月28日はドイツワインの日】 「美しき野生」に乾杯

その彼女の作品のひとつが、ソヴァージュ=野生と名づけられたワイン。確かに、一口飲めばリースリングの特徴である凛とした高貴な酸味は十分楽しめるけれど、そこに閉じ込められることなく、元気な草花、柑橘が、薫風にそよいでいるような自然の野原の風景が浮かびます。強風ではなく涼風。強烈なものでもなく、どこか品よく、若々しく、邪心なく。暴れん坊の野生ではなく、ちょっと青くて颯爽とした「女の子の素直な生き方」。それはテレーザさん自身の物語なのかもしれません。初夏に向けて、少し冷やし目ではじめて、自然な空気の中で流れのまま楽しむ。髪を少し切った休日。昼、窓を開けて、重いカーテンなら軽やかなものに変えて、このワインを。重厚でも甘くもない。そんなドイツワインの世界も、あります。

※掲載情報は 2015/04/28 時点のものとなります。

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キュレーター情報

岩瀬大二

ワインナビゲーター

岩瀬大二

MC/ライター/コンサルタントなど様々な視点・役割から、ワイン、シャンパーニュ、ハードリカーなどの魅力を伝え、広げる「ワインナビゲーター」。ワインに限らず、日本酒、焼酎、ビールなども含めた「お酒をめぐるストーリーづくり」「お酒を楽しむ場づくり」が得意分野。
フランス・シャンパーニュ騎士団 オフィシエ。
シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。
日本ワイン専門WEBマガジン「vinetree MAGAZINE」企画・執筆
(https://magazine.vinetree.jp/)ワイン専門誌「WINE WHAT!?」特集企画・ワインセレクト・執筆。
飲食店向けワインセレクト、コンサルティング、個人向けワイン・セレクトサービス。
ワイン学校『アカデミー・デュ・ヴァン』講師。
プライベートサロン『Verde(ヴェルデ)』でのユニークなワイン会運営。
anan×本格焼酎・泡盛NIGHT/シュワリスタ・ラウンジ読者交流パーティなど各種ワインイベント/ /豊洲パエリア/フィエスタ・デ・エスパーニャなどお酒と笑顔をつなげるイベントの企画・MC実績多数。

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