記事詳細
紹介している商品
循環型農業が生んだこれ以上ない卵
循環型農業が生んだナチュラルな卵にほっこりと。
「卵」というものを食べて久しぶりにびっくりしたかもしれない。子供のころは毎日食べていた「卵焼き」も、この年になると居酒屋のメニューにあるものをたまに注文するくらいだろう。鳥取県は日本で一番小さい県で、最近の話題と言えばスタバがやっとできるというのがニュースになったくらいだ。そんな小さい県ではあるが、ホンモノはやっぱり隠れていた。それが天美卵だ。
言うまでもなく卵は良質なたんぱく質をたくさん含み、大人になってこそ必要なエネルギーを補充することができるものだ。しかし、卵と言っても千差万別。現実的には大量生産型のものがほとんどという現実がある。
一個100円近い卵と聞いてどう思うだろうか。その価格には鳥取の山奥の気持ちが込められている。鶏の生産から加工食品までいわゆる第六次産業がなされている。飼育もブロイラーのように狭い鶏舎で飼育されているのではなく、広々とした敷地でのびのびと育てられている。(ただし、衛生上の観点から一般の見学は不可)一昨年訪問した時には牧場に隣接したモダンなカフェは、平日にも関わらず大人気で行列ができるほどだ。
天美卵は、まずは生で軽く醤油をかけて炊きたてのごはんと共にいただきたい。色合いは普通の卵と一緒だ。しかし、黄みの盛り上がり方が違い、こんもりと張りのある活きのいい盛り上がりを見せている。
かき混ぜると香り、味わいに。驚きを隠せない。次に目玉焼き。表面が薄くなるくらいの焼きを入れ、塩とオリーブオイルを軽く振ると、これまたびっくり。単に濃厚な味わいというだけでなく、味わいのソフトさ、後味の余韻の長さが特徴だ。卵そのものの味わいが楽しめる、卵かけごはん、目玉焼きの美味しさを再発見することになるだろう。「卵ってこんなに美味しかったんだ!」。
※掲載情報は 2015/05/03 時点のものとなります。
- 12
キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。