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儀式用のパンでは珍しくい甘い「コズナック」
キリスト教の信者が多いブルガリアでは、キリストの誕生を祝うクリスマス以上に、キリストの復活を祝うイースター(復活祭)を大切にしています。毎年「春分の日の後の満月直後の日曜日」が復活祭と定められていて、2015年は4月12日-14日でした。
ブルガリアではキリスト教の儀式には必ずパンが用いられます。イースターの儀式で使うパンは「コズナック」というもので、他の儀式用のパンと違って甘いのが特徴です。砂糖、ナッツ、レーズンなどを入れた生地を長時間こねて空気を含ませ、糸が引くくらい粘り気が出て柔らかくなったら焼き頃です。細長く伸ばした生地を三つ編みにして輪を作り、上にたっぷりの砂糖をまぶして焼き上げます。昔は各家庭で作られていましたが、今はお店で買うことが多くなりました。フランスやイタリアにも似たようなパンがありますが、ブルガリアには19世紀中〜後半頃に、ハンガリーからの移民によって伝えられたと言われています。
そしてコズナックの他にも、イースターでは普段の食事より豪華なものをいただきます。断食が明けるので、肉や卵も食べられるようになります。肉は主に羊肉、とりわけ子羊を選びます。新しいニンニクや玉ねぎの時期でもあるので、それらの野菜をたっぷり使い、パセリなどのハーブも使ったシンプルなオーブン焼きなど、さまざまな料理に使います。コズナックと同じ生地で焼いた小さな菓子パンやクッキーなども用意します。
イースターエッグは「赤」が一番大切な色
イースターエッグは、キリスト復活のシンボルとして欠かせません。今でこそ西ヨーロッパの影響で様々な色や装飾のデコレーションが売られるようになりましたが、もともとブルガリアではシンプルに天然の染料で色を付けていました。使うのは本物のゆで卵で、最初の1個は必ず赤に染めるのが習わしです。そして、祖母や母親が子どもたちのおでこに赤い染料で十字を描き、その年の健康と幸せを祈ります。赤はキリストの流した血を象徴しています。他にも、クルミの皮や玉ねぎで黄色、いら草で緑、赤ビートでピンクなど、カラフルな卵を用意します。今は食用の染料を使ったり、卵も本物ではなくて装飾用の素材で作られたものを飾る家もあります。そして、色を付けた卵は親戚や近所にお互い配り合います。
イースターは宗教色の強いイベントなので、華やかなパレードやカーニバルはありませんが、断食の明ける復活祭当日には、卵を使ってエッグタピングというゲームをします。これは、“卵すもう”とも言えるもので、手に持った卵を他の人と打ち付け合って、最後まで割れなかった人が勝ちとなります。
ところで、イースターエッグを1つだけ食べずに、翌年まで残しておきます。その卵は最初に色を付けた赤い卵です。腐らないように冷蔵庫などで保管して、翌年のイースターを迎えたら無事1年を過ごせたことに感謝しながら土に埋めるのです。
【ブルガリアのイースターに欠かせないコズナックのレシピ】
[材料:6人分]
小麦粉:400g
水:100cc
ドライイースト:15g
卵(黄身):16個
砂糖:300g
牛乳:200cc
アーモンド:150g
ココア:100g
クローブ:小さじ 1杯 ラム酒:70cc
レッドワイン:70cc
オレンジ皮:50g
レモンジュース:適宜
シナモン:適宜
[作り方]
(1):水とイーストと小麦粉をかき混ぜて、生地を作ります。出来上がったら生地を30分間寝かせます。
(2):アーモンドをすりつぶします。
(3):(2)ですりつぶしたアーモンドにラム酒、レッドワイン、黄身、砂糖300g、ココア、牛乳、シナモン、クローブ、オレンジの皮、レモンジュースを混ぜ合わせます。
(4):(3)を(1)に加え、良く混ぜ合わせます。普通の厚さ【耳たぶぐらいのやわらかさ】の生地になるまで、小麦粉を加えながら良く混ぜ合わせます。
(5):天板にバターと小麦粉をかけてから、(3)をおきます。150℃のオーブンで1時間焼き上げたら、お皿に盛り付けて完成です。
※掲載情報は 2015/04/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ブルガリア共和国大使館
ブルガリアはバルカン半島に位置し、北はルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東には黒海があります。北海道より少し大きい国土で、首都はソフィアです。香水用のバラ栽培が世界最大産地ということでも有名です。ブルガリアの食でみなさんはヨーグルトを連想する人が多いと思いますが、さまざまな民族の食文化の影響、特にトルコ、ギリシャ、ルーマニア料理との共通点が多いです。また、良質なワインの産地としても有名です。